オートレースの車両は走行性能が命!独特な7つの特徴を紹介
オートレースは選手の実力だけではなく、車両の走行性能が勝敗に大きく関係します。オートレースの車両は一般的なバイクとは異なる部分が多く、走行性能向上のための独特な特徴を持っています。
では、いったいオートレースの車両は一般的なバイクとどのような部分が異なるのでしょうか?
本記事では、走行性能を極限まで追求したオートレースの車両の7つの特徴をご紹介します。なぜ、レース中に高速で極限の走りを見せられるのかが気になる方はご覧ください。
オートレースで使う車両は走ることに特化したバイク
オートレースはレース中最高速度は約150km/h、平均速度は約90km/hほどで走行し極限の走りを見せてくれます。
そのため、高速で走るための構造、高速に耐え抜く耐久性など、走ることを極限まで追求したバイクです。
一般的なバイクには当たり前のように搭載されているメーターなども搭載されておらず、走ることに必要のない部分は徹底的に撤去し、いかに効率よく走れるかに焦点を当てて作られています。
オートレースの車両の独特な7つの特徴
オートレースで使用する車両は、一般的なバイクでは当たり前の部分が異なっており、「ブレーキ」「ハンドル」「メーターの有無」「フレームの構造」「サスペンションの構造」「トランスミッションの種類」「タイヤの形」など7つの大きな特徴があります。
いったいどのような部分が一般的なバイクと異なるのか、以下でご紹介します。
走りを追求した車両の構造を覚えておきましょう。
①ブレーキが搭載されていない
オートレースの車両で最も特徴的なのはブレーキが搭載されていない点。
ブレーキがないと止まれないと思われがちですが、逆にブレーキを搭載しているとレース中に急な減速によって大事故につながる可能性があるため、ブレーキを装着していません。
そのかわりオートレースの車両はスロットルを戻すと、バルブが全閉になるため大きなエンジンブレーキがかかります。つまり、オートレースの選手はアクセルワークだけで、スピートの増減を調整する技術が必要です。
また車両を停止する際には、エンジンブレーキで十分に減速したのち、選手自らの足を地面に付けて停止させます。
②左ハンドルの高さが高い
オートレースの車両のハンドルは平行ではなく、左ハンドルの高さが高い構造になっています。一般的なバイクのようにハンドルが平行の場合、路面とハンドルが平行にならず、安定して走行できません。
オートレースはオーバルコースを左回りで、車両を傾斜させて走行します。その際に左ハンドルの高さが高くなっていることで、路面とハンドルが平行になり安定して走行できるのです。
③メーターなどの電装品がない
オートレースの車両にはメーターやライトなどの電装品が搭載されていません。一般的なバイクであればメーターやライトは当たり前のように搭載されていますが、走ることに焦点を当てた場合、メーターやライトは不要と判断されました。
さらに車両を軽量化させるために、セルモーターやキックペダルなどの部品も搭載されていないため、エンジンの始動は押しがけておこなう必要があります。
一般的なバイクでは当たり前とされる部品でさえも、走ることには不要と判断されるオートレースの車両は、いかに走ることを追求した競技用の車両ということがわかるでしょう。
④振動・衝撃に耐えられるダイヤモンド型フレームを採用
オートレースは最高速度約150km/hで走行するため、振動や衝撃に強いダイヤモンド型フレームが採用されています。
また、エンジン・エンジンプレート・上下バックフレームなど、レースで本来の実力を発揮するために日ごろの整備が必要な部品はボルトとナットを使用して連結しており、普段から車両の整備をおこなう選手にとっては車両の整備がおこないやすい特徴があります。
⑤横滑りを防ぐサスペンション
オートレースの車両のサスペンションは、万が一横滑りをしてしまった際にも車両のコントロールがしやすい構造となっています。フロントサスペンションは、スプリングフォーク・オイルフォークから好きなほうを選手が選択でき、リアサスペンションはリジットに固定されています。
平均速度約90km/hで走行するオートレースは、少しの横滑りで転倒・落車してしまい大事故に。後続車がいる場合は、自分だけではなくほかの選手を巻き込む大事故になりかねません。
⑥トランスミッションは2段変速
オートレースの車両のトランスミッションはローギアとトップギアの2段変速機構となっています。
一般的なバイクであれば、5速もしくは6速のトランスミッションが搭載されており、走行するスピードによって変速をおこなうのが一般的です。
しかし、オートレースの車両はローギアとトップギアの2段階のみ。つまり、低速用のギアと高速用のギアしか存在しないため、走り出すとき以外はほぼトップギアを使用し、アクセルのみでスピードの調整をおこなわらなければいけません。
⑦カーブでの接地面を増やす三角タイヤを採用
オートレースの車両に使われているタイヤは断面図が尖っている「三角タイヤ」と呼ばれるタイヤを採用しています。
オートレースは常に左回りで車両を傾斜させて走行するため、一般的なタイヤの場合、路面との接地面が稼げず、安定性や走行性能を十分に発揮できません。一方、オートレースで使用する特徴的な「三角タイヤ」は断面図が尖っていることによって車両を傾斜させた際に路面との接地面を増やし走行性能を上げています。
しかし、新品のタイヤのままだと接地面を十分に稼げないため、使用前にトレッド面をサンダーで削り、当たり付けをおこない、さらに接地面を増やし走行性能をあげます。
新品から使用するまでに手間がかかりますが、タイヤの寿命速く4~5レース。オートレースの一般競走は3,100mを走行するため、約15.5kmほどで寿命をむかえるといわれています。
また2015年まではダンロップの『KR-73』というタイヤが使われていましたが、2015年2月からは耐摩擦性能が向上した『KR-73S』に変更となりました。耐摩擦性能が向上したため、タイヤの寿命も若干伸びましたが、それでもレース本番で本来の実力を発揮するためにタイヤは要といえる存在。選手たちはタイヤのコンディションがベストな状態を維持できるように整備は欠かせません。
速さを求めた車両のスピード感あふれるレースを楽しもう!
最高速度約150km/h、平均速度90km/hで走行するオートレースは、選手の実力だけではなく、車両の走行性能が勝敗を左右させます。
一般的なバイクでも十分に速いと思われますが、オートレースの車両は「ブレーキ」「ハンドル」「メーターの有無」「フレームの構造」「サスペンションの構造」「トランスミッションの種類」「タイヤの形」など、速く安定した走りができるような独特な特徴を持ち、スピード感あふれるレースを実現させています。
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- ウィンチケット編集部
- WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。
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