オートレースのルールを丁寧に解説!初心者でもこれだけ押さえれば楽しめる
オートレースにもルールがあります。しかし、ルールがわからなければレースそのものも楽しめません。
そこで、本記事では初心者におさえておいてもらいたいオートレースのルールを解説します。
わかりやすく解説していくので、観戦時の参考にしてみてください。
オートレースの基本的なルール
オートレースは、オートバイを使っておこなわれる周回レースです。1周500m・幅30mのコースを走り、そのタイムを競います。
タイムの速い選手が優勝ですが、反則があった場合は失格となることも。
以下では、そんなオートレースのルールについて解説していきます。
8台のオートバイがコースを6周してタイムを競う
レースでは8台のオートバイを使い、基本的には1周500mのコースを6周してタイムを競い合います。ただし、レースによっては8周もしくは10周することもあります。
どのコースもオーバルコースで、左回りです。
レース中の最高時速は150kmにも達するので迫力満点です。
ほとんどのレースでハンデが採用される
オートレースでは、選手の実力に応じてハンデを設けるのが一般的です。
ハンデのつかないレースは、SGレースの「スーパースター王座決定戦」などごく一部。
多くのレースでは選手のスタート位置が異なります。
通常のスタートラインからハンデに応じて10mずつスタートラインが下がり、最大で110mつきます。
審判員だけでなくビデオ・赤外線センサーなども判定に使われる
レース中の監視・ジャッジをおこなっているのは、35名の審判・スタッフです。反則行為が疑われるときは、ビデオ・赤外線センサーなども併用して厳しく判定しています。
審判は、旗を使って選手にいろいろなことを伝えています。
赤旗
フライングや事故で競技の続行が不可能となった場合は、赤旗を上げて競走を停止します。そのほか、競走終了後に反則があったと疑われる場合の合図としても使われます。
黄旗
黄旗には2つの意味があります。
準備完了後・競走終了後に上げられた場合は、反則がなかったという意味です。また、レース中に落車やガソリン漏れなどの事故が起きた場合にも黄旗を掲示します。
その場合は、第2・第3の事故を防ぐ役割を果たします。
青旗
最終周回に入る前に、8の字に振ります。
選手はこれで、残り1周となったことを確認します。
チェッカーフラッグ
決勝線(ゴールライン)に選手が入るごとに、旗を1回転させながら振ります。
オートレースの反則ルール
オートレースでは、反則が起こることもあります。
反則は、大きくわけると以下の2つです。
- ①スタート時の反則
- ②出走後の反則
反則ルールを知らないと「なぜ?」となりますが、反則のルールを知るとレースをより楽しめるので、しっかりと把握しておきましょう。
以下で、それぞれの反則について解説していきます。
①スタート時の反則
スタート時の反則は「1. フライング」「2. 後方スタート」「3. スタート戒告」「4. 出残り」の4つがあります。
以下でそれぞれの反則について解説していきましょう。
1. フライング
発走合図が完了する前に発走する行為をいいます。一般戦では予選や優勝戦でフライング後に1着を取っても有効です。
ただし、斡旋停止やSGレースでは翌年の出場資格を喪失するなどの罰則があります。
2.3. 後方スタート・スタート戒告
オートレースでは、スタート1秒前に補助ライン上にタイヤが設置している必要があります。スタートラインでラインを確認しているのはそのためです。
それぞれの基準は以下のとおりです。
- 後方スタート:補助ラインより下がっている状態で、発走合図完了前に動く
- スタート戒告:補助ラインより下がっている状態で、合図完了後に動くこと
後方スタートした場合は、斡旋停止などの罰則があります。
また、スタート戒告の場合は9回出場中2回受けると罰則対象です。
4. 出残り
発走合図が完了した後で発走しない、または発走直後に停止することをいいます。
罰則はありませんが、再発走となります。
② 出走後の反則
出走後の反則は「1. 内線・外線突破」「2. 反則妨害」「3. 競走戒告」「4. タイムアップ」「5. 試走戒告」の5つがあります。
以下でそれぞれの反則について解説していきます。
1. 内線・外線突破
走路の内線・外線を踏み越えて、内部・外部回避帯を通過する行為のことです。
これを犯すと、反則失格となります。
2. 反則妨害
競走中の妨害行為によって反則失格となることです。
- 押圧:並走状態のとき、一方がうち側・外側に寄ることで相手選手の進路を狭める行為
- 衝突:相手の競争者または身体に接触し、衝突する行為
斜行:急激に斜めに進路を変更することで、後方の選手の進路と交差する行為
3. 競走戒告
軽微な妨害行為で、反則失格に該当しない場合は競走戒告となります。
ただし、6出場中2回受けると罰則の対象です。
4. タイムアップ
3着以内に入着した選手の反則です。
雨天などによる走路状況の変化や正当な理由がないにもかかわらず、競走タイムが試走タイムよりよい場合は罰則の対象となります。
5. 試走戒告
タイムアップと同じく、3着以内に入着した選手の反則です。
雨天など走路状況の変化や正当な理由がないにもかかわらず、試走タイムが競走タイムと比較して0.02秒/100m以内だった場合に試走戒告が与えられます。
ただちに反則とはならないものの、6出場中2回戒告を受けると罰則の対象です。
※追い抜き
反則行為ではありませんが、追い抜きにもルールがあります。オートレースでは、外側から追い抜くことが基本です。
ただし、うち側に十分なスペースがあり、安全面にも配慮されている場合はうち側からの追い抜きもできます。
オートレースの豆知識
オートレースには、さまざまな豆知識が多くあります。それらの豆知識を覚えることでオートレースの観戦をより楽しむことができるでしょう。
以下では、オートレースで使用されるバイクについての豆知識をご紹介します。
①ブレーキがない専用バイクが使われる
オートレースで使われるバイクは、オートレース専用のバイクです。
オートレースは左回りで、終始左に傾斜させて走行します。そのため、ハンドルが路面と水平になるようにして安定性を向上させる目的で、左ハンドルのほうが高くなっています。
また、ブレーキをかけることでかえって危険があることから、ブレーキがない特殊な構造となっています。そのかわり強いエンジンブレーキが効きます。
使用するエンジンは、スズキ製のAR600またはAR500です。AR600は一般的なオートレーサー用バイクで使用され、AR500は新人選手の養成時からデビュー後一定期間まで使用されます。
「Super Engine of Auto Race」の頭文字を取って、「SEAR(セア)」と呼ばれています。
②覚えておきたい専門用語
レース実況を聞いていると、専門用語を聞くことが多いのではないでしょうか?しかし、知識がなければ聞いていてもなんのことをいっているのかわからないかもしれません。
以下では、そのなかかから代表的な4つの専門用語をご紹介します。
1. ドドド
競走中に激しい上下振動が起こることで、操縦困難になることをいいます。
原因はタイヤ・フォーク・フレーム・エンジン・乗り方などさまざまです。
2. カマシ
スタート直後の1コーナーから、いきなり外側より一気に捲る行為のことを指します。
3. 切り返し
切り返しとは、追い抜き技術のひとつです。
コーナーで先行車の後部外側につけ、先行車がグリップを開けてうち側から離れた瞬間にそこから追い抜きを仕掛ける戦法のことをいいます。
4. ちょい差し
ゴール直前で着順が変わってしまうことです。
いずれも実況で使われる機会が多いので、覚えておくといいでしょう。
初心者でも楽しめるオートレースのルールまとめ
本記事では、オートレースの基本的なルールについて解説していきました。
ルールを知らずに見るのと、知っていて見るのとでは大違いです。
本記事を参考にして、ルールの理解に努めて、よりオートレースの観戦を楽しんでみてください。
- ウィンチケット編集部
- WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。
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