全日本選抜競輪とは? 選手選抜方法や歴代の優勝選手を徹的紹介!
全日本選抜競輪は、現在6つあるG1レースのなかのひとつです。
もともとの名称は「全日本選抜競輪」でしたが、2001年より読売新聞社の社杯が授与されるようになったことで、その正式名称は「読売新聞社杯全日本選抜競輪」となりました。
S級S班およびS級1班に在籍する選手のうち、各都道府県および各地区でもっとも優れた成績を残している選手が選ばれることから、都道府県対抗という意味合いもある大会です。
そこで、本記事では全日本選抜競輪の詳細や大会の魅力についてあますことなく解説していきます。
全日本選抜競輪とは?
読売新聞社杯全日本選抜競輪は、6つあるG1レースのひとつです。
開催時期は2月なので、年度最後のG1レースであり、かつその年最初のG1レースとなります。
また、優勝者にはグランプリへの特別出場資格が与えられ、その年におこなわれる最初の特別出場資格者として名前が残ります。そのため、さまざまな面で注目の集まりやすい大会です。
以下で、読売新聞社杯全日本選抜競輪の選手選抜方法や賞金・レース概要などの詳細を解説していきます。
全日本選抜競輪への出場選手の決まり方
読売新聞社杯全日本選抜競輪は、大会名称に「全日本」というタイトルがついています。その名のとおり、各都道府県(支部)にいるS級S班・同1班に在籍する選手が推薦され選抜される大会です。
選考期間や開催月の詳細は次のとおりです。
- 選考期間:前年6月~11月の6カ月間
- 最低出走回数:24出走
- 選考:毎年12月
- 開催月:翌年2月下旬
- 選考選手数:正選手108名+補欠8名の計116名
選抜方法
開催時にS級に在籍している選手のうち、以下の基準により選考委員会において選抜されます。
- S級S班在籍者(※1)
- 開催時にS級1班に在籍している選手で、過去3回以上優勝した者
- 開催時にS級1班に在籍している選手で、47都道府県それぞれにおいて平均競走得点1位の者(※2・3)
- 全国を8つに分けた地区ごとで平均競走得点1~3位の者(※1)
- 開催時にS級1班に在籍している選手のうち、選手選考対象期間において2カ月以上JCFト - ラック種目強化指定(A)に所属した者(※4)
- 残りは平均競走得点上位者より順次選抜(※5)
※1 1・4で選ばれた選手のうち、27名は特別選抜予選への出場が決定します。
※2 選考時において、1年以上同じ都道府県に在籍していること。
※3 S級1班に所属選手が不在の都道府県からは選出されません。
※4 2019年末時点では、以下の6選手が該当していました。
※5 補欠選手は、正選手を除く平均競走得点上位者から順次選抜されます。
全日本選抜競輪の賞金
全日本選抜競輪は4日間おこなわれ、予選から着順別に賞金が支給されます。
以下でそれぞれ着順別の賞金を紹介していきます。
【初日】一次予選(9レース)
- 1着 28.7万円
- 2着 24.6万円
- 3着 21.2万円
- 4着 19.7万円
- 5着 18.5万円
- 6着 17.4万円
- 7着 16.5万円
- 8着 15.7万円
- 9着 15.2万円
【初日】特別選抜予選
- 1着 44万円
- 2着 38.2万円
- 3着 33.7万円
- 4着 29.6万円
- 5着 27.8万円
- 6着 26万円
- 7着 24.3万円
- 8着 22.6万円
- 9着 21.6万円
【2日目】特一般(5レース)
- 1着 27.5万円
- 2着 22.8万円
- 3着 20.4万円
- 4着 19.1万円
- 5着 18万円
- 6着 17万円
- 7着 16.1万円
- 8着 15.6万円
- 9着 15.2万円
【2日目】二次予選(6レース)
- 1着 35.3万円
- 2着 30.7万円
- 3着 27万円
- 4着 24.2万円
- 5着 21.9万円
- 6着 20.5万円
- 7着 19.6万円
- 8着 18.7万円
- 9着 18.2万円
【2日目】スタールビー賞(1レース)
- 1着 82.8万円
- 2着 59.5万円
- 3着 50.5万円
- 4着 44.5万円
- 5着 39.4万円
- 6着 34.3万円
- 7着 31.3万円
- 8着 28.3万円
- 9着 25.3万円
【3日目】般(5レース)
- 1着 25.3万円
- 2着 21.6万円
- 3着 19.2万円
- 4着 18万円
- 5着 17万円
- 6着 16.1万円
- 7着 15.6万円
- 8着 15.2万円
- 9着 14.8万円
【3日目】選抜(3レース)
- 1着 29.4万円
- 2着 25.4万円
- 3着 22.8万円
- 4着 20.7万円
- 5着 19.7万円
- 6着 18.7万円
- 7着 17.8万円
- 8着 17.4万円
- 9着 17万円
【3日目】特選(3レース)
- 1着 36.1万円
- 2着 31.2万円
- 3着 28.2万円
- 4着 26.3万円
- 5着 24.5万円
- 6着 22.8万円
- 7着 21.2万円
- 8着 19.7万円
- 9着 18.7万円
【3日目】準決勝(3レース)
- 1着 58.3万円
- 2着 49.9万円
- 3着 44万円
- 4着 41.2万円
- 5着 38.5万円
- 6着 35.8万円
- 7着 33.2万円
- 8着 30.6万円
- 9着 29.3万円
【最終日】一般(3レース)
- 1着 33.5万円
- 2着 27.2万円
- 3着 24.6万円
- 4着 23.3万円
- 5着 22万円
- 6着 20.8万円
- 7着 20万円
- 8着 19.4万円
- 9着 18.9万円
【最終日】選抜(3レース)
- 1着 44.8万円
- 2着 38.5万円
- 3着 34万円
- 4着 31.6万円
- 5着 29.4万円
- 6着 27.2万円
- 7着 25.1万円
- 8着 23.7万円
- 9着 22.7万円
【最終日】特選(3レース)
- 1着 62.2万円
- 2着 54.6万円
- 3着 47.7万円
- 4着 44万円
- 5着 40.8万円
- 6着 37.7万円
- 7着 35.2万円
- 8着 32.7万円
- 9着 30.6万円
【最終日】特別優秀(2レース)
- 1着 166.6万円
- 2着 137.4万円
- 3着 117.2万円
- 4着 104.1万円
- 5着 94万円
- 6着 85.9万円
- 7着 78.8万円
- 8着 73.8万円
- 9着 69.7万円
【最終日】決勝(1レース)
- 1着 2,850万円(副賞を含めると3,040万円)
- 2着 1,467万円(副賞を含めると1,507万円)
- 3着 957万円(副賞を含めると981万円)
- 4着 693万円
- 5着 570万円
- 6着 478万円
- 7着 387万円
- 8着 356万円
- 9着 336万円
特別選抜予選から出場した選手が、予選からすべて1着だった場合、副賞込みの賞金総額は3,225万1,000円となります。
全日本選抜競輪のレース概要
読売新聞社杯全日本選抜競輪は、4日間おこなわれます。
出場選手の内訳は、以下のとおりです。
出場選手(正選手):108名
一次予選出場選手:81名
特別選抜予選出場選手:27名
ここからは初日から最終日まで4日間のタイムテーブルを紹介していきます。
初日
- 第1レース~第9レース:一次予選(9人を9組にわけて実施)
- 第10レース~第12レース:特別選抜予選(9人を3組にわけて実施)
・一次予選:
- 各レース1~4着の計36名が二次予選進出
- 各レース5~9着の計45名は、2日目の特一般に出場
・特別選抜予選:
- 各レース1~3着の計9名は、2日目のスタールビー賞と3日目の準決勝進出
- 各レース4~9着の計18名は、2日目の二次予選進出
2日目
- 第1レース~第5レース:特一般(9人を5組にわけて実施)
- 第6レース~第11レース:二次予選(9人を6組にわけて実施)
- 第12レース:スタールビー賞(特別選抜予選上位9名)
・二次予選:
- 各レース1~3着の計18名が準決勝進出。
・スタールビー賞:
- 二次特別選抜予選。失格者にならない限り、出場者全員が準決勝進出。
3日目
- 第1レース~第3レース:一般
- 第4レース~第6レース:選抜
- 第7レース~第9レース:特選
- 第10レース~第12レース:準決勝(二次予選上位18名+スタールビー賞の9名、計27名)
・特選レース:
- 各レース1~3着の9名が、最終日の特別優秀へ進出。
・準決勝:
- 各レースの1~3着、計9名が決勝進出。
- 各レースの4~6着、計9名は特別優秀へ進出。
- 各レースの7~9着、計9名は特選へ進出。
最終日
- 第1レース~第3レース:一般
- 第4レース~第6レース:選抜
- 第7レース~第9レース:特選
- 第10レース・第11レース:特別優秀
- 第12レース:全日本選抜競輪「決勝」
・決勝:
- 1~3着までの3名が表彰台。
全日本選抜競輪の歴代優勝者
読売新聞社杯全日本選抜競輪は、1985年に前橋競輪場にて第1回が開催されました。
レース体系見直しによる日程バランス調整のために実施されなかった2012年を除いて、これまでに35回実施されています。
優勝者にはKEIRINグランプリの出場権を付与されるG1レースですが、これまでにどのようなレースがおこなわれてきたのでしょうか。
ここでは、2016年(第31回)~2020年(第35回)まで直近5回の優勝者を紹介するとともに、レースの振り返りをしていきます。
◆2020年(第35回)清水裕友選手
【レース結果】
【レース概要】
最初に動いたのは郡司浩平で、平原康多がそれに続きました。打鐘とともに三谷竜生が動き、清水裕友
は間合いを取って追いかけます。
最後に捲ってきた山田英明と平原を振り切った清水が優勝。2着は直線で伸びた平原、懸命に捲った山田は3着でした。
◆2019年(第34回)中川誠一郎選手
【レース結果】
【レース概要】
打鐘の手前でリードしたのは吉澤純平。中団から中川誠一郎選手が一気に仕掛けて先頭に立ちます。
中川はそのまま逃げ切り、2度目のG1制覇を達成。2着は4コーナーで家を継いた佐藤慎太郎、3着は中川に叩かれた吉澤選手でした。
◆2018年(第33回)新田祐大選手
【レース結果】
【レース概要】
打鐘前から抜け出し、積極的に仕掛けたのは古性優作。ライン4社でしっかり出切って近畿勢のペースになったレースは、吉澤純平、村上義弘、新田祐大
が中団から仕掛けます。
最初は吉澤と村上(義)が捲り合っていたところ、大外から一気に駆け抜けた新田が交わして見事1着。
2着・3着は、村上義弘・博幸の兄弟でした。
◆2017年(第32回)平原康多選手
【レース結果】
【レース概要】
打鐘で一気に前に出た三谷竜生が、先行逃げ切りをはかります。しかし、平原がメイン粘りをしたことで、前段がもつれる結果に。
そこから新田が一気に捲るも、平原がうまく追い込んで優勝。2着は初の地元G1となった武田豊樹、新田は最後に力尽きるも堂々の3着でした。
◆2016年(第31回)渡邉一成選手
【レース結果】
【レース概要】
嬉しいG1レース初優勝を飾ったのは渡邉一成。
新田祐大が先行した脇本雄太を食い止めると、渡邉一成が打鐘後の4コーナーから一気に猛ダッシュで叩き切り、2センターから早めに抜け出してそのまま逃げ切りました。
2着には、同じ福島を拠点とする佐藤慎太郎。3着に入った新田祐大と、3着までに入ったのは全員福島勢でした。
全日本選抜競輪の観戦方法
全日本選抜競輪を観戦する方法は主に2つあります。
- 競輪場で観戦
- インターネットで視聴
2021年の第36回は川崎競輪場、2022年の第37回は取手競輪場で、それぞれ2月20日~2月23日の4日間開催予定です。
競輪場に行くことができる方であれば、競輪場で生観戦するとそのライブ感を味わうことができます。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大防止をしなければならないので、会場に入場できるかどうかについては不透明です。
そのことを考えると、インターネットのライブ中継で視聴する方法がもっとも安全といえるでしょう。
WINTICKET(ウィンチケット)ではレース映像をライブ配信しています。
選手や競輪場の各種データも取り揃えておりますので、ぜひご活用ください。
WINTICKET ライブ実況・中継ページ
トップ選手の戦いを全日本選抜競輪で楽しもう!
読売新聞社杯全日本競輪は、220人いるS級S班1班のなかから選ばれた108人が出場する、日本のトップクラスの選手が出場するG1レースです。S級1班の選手は、実力的にS班の選手にも勝るとも劣らないので、序盤からレベルの高いレースが見られます。
当レースの優勝者には、KEIRINグランプリへの出場権が与えられるので、出場権を目指す争いも見どころのひとつといえるでしょう。
競輪を見たことのない人も、ファンの方も、トップレベルの走りを楽しみましょう。
参考.1 : WINTICKET 競輪勉強シリーズ
参考.2 : WINTICKET 初心者向けコンテンツシリーズ
- ウィンチケット編集部
- WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。
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