和歌山競輪を徹底深堀! バンクの特徴や特別競輪の見所、歴史などを解説!
和歌山競輪のバンクの特徴
「わかやまオレンジバンク」の愛称で知られる『和歌山競輪場』は400mバンクです。
開設時は当時の主流だったクロソイド曲線でしたが、1999年(平成11年)のバンク全面改修の際にマッコーネル曲線になりました。全国の競輪場の中で最後までクロソイド曲線を使用してたのが和歌山バンクなのです。
カントは32°15′7″で400バンクの平均よりキツめ(※1)。直線は59.9mで400バンクの平均より長めです(※2)。
※1:400バンクで最もカントがキツいのは松阪の34°25′29″、緩いのは西武園の29°26′54″
※2:400バンクで直線が最も長いのは武雄の64.4m、短いのは佐世保の40.2m
このような「カントがキツくて直線が長い」バンクの特徴は「捲り・追い込みが効いて、差しが決まりやすい」こと。和歌山競輪場でもこの傾向が見られます。
さらにバックの裏手に紀ノ川が流れており、3コーナー側は河口に近いため、海風が吹き込んできます。バック向かい風、ホーム追い風になり、2コーナーから早めのカマシや捲りは決まりにくく、逆に3コーナー辺りから仕掛け、カントを使って4コーナーから一気の捲りや追い込みが有効です。風で背中が押される上に、直線の長さも手伝って、差し切るレースがよくあります。
結果、3番手が交わしの交わしで突き抜けたり、別線番手が絡んできてのスジ違い車券も発生しやすく、穴党にはたまらない場と言えるでしょう。
ちなみに雨が降ると重くなるという声もあり、天候の悪い日はスタミナのある選手をチェックしておきたいですね。
和歌山競輪の記念競輪は?
開設記念競輪(G3)は毎年1月10日前後におこなわれる『和歌山グランプリ』なのですが、今年、2021年(令和3年)は、昨年6月に和歌山競輪場で初のG1『高松宮記念杯競輪』が開催されたのと、改修工事のために休止していた岸和田競輪場の開設記念『岸和田キング争奪戦』を今年1月に代替開催したこともあって、見送られました。
近々では7月13日(火)から15日(木)にF1『第4回 和歌山県営和歌山競輪【WINTICKET杯】』がおこなわれます。
地元からはS級戦に南潤選手(S1・和歌山・111期)、A級戦に小林史也選手(A1・和歌山・107期)、ガールズケイリンに期待の新人、吉川美穂選手(和歌山・120期)が出場します。吉川選手は優勝候補の一角だけに、楽しみですね。
直後の7月16日(金)から18日(日)には函館競輪場でG2『第17回 サマーナイトフェスティバル』が開催されます。
和歌山からは東口善朋選手(S1・和歌山・85期)と稲毛健太選手(S1・和歌山・97期)らが出場。同地区の近畿勢では古性優作選手(S1・大阪・100期)、稲川翔選手(S1・大阪・90期)、寺崎浩平選手(S1・福井・117期)などが出場し、オリンピック出場組を除いたS級S班7名に立ち向かいます。
『ガールズケイリンフェスティバル』も同日程、3日間で開催され、和歌山からの出場はありませんが、近畿からは柳原真緒選手(福井・114期)と坂口楓華選手(京都・112期)が出場します。
ちなみに近況負けなしの高木真備選手(東京・106期)と佐藤水菜選手(神奈川・114期)を筆頭に女王・児玉碧衣選手(福岡・108期)、ベテランの石井寛子選手(東京・104期)、若手実力派の・尾方真生選手(福岡・118期)などの強豪が揃って出場。
ガールズケイリンが始まって間もなく10年を迎えることもあって選手層は厚くなり、群雄割拠の今、最強女子を決める大会と言っても過言ではないメンバーが揃います。こちらも非常に楽しみです。
和歌山競輪の歴史
和歌山競輪場は戦後復興で競輪場の建設ラッシュに沸いていた1949年(昭和24年)に開設されました。全国で21番目、近畿で6番目の競輪場として誕生。
特別競輪は1995年(平成7年)と1996年(平成8年)に『ふるさとダービー』(かつてのG2競走)が開催されただけでG1の開催はありませんでしたが、前述したように2020年(令和2年)6月、初のG1『高松宮記念杯競輪』が開催されたのです。
しかしコロナ禍ということもあって無観客となってしまいました。再びG1が開催された際には、みかんをモチーフとしたマスコットキャラクターの『わかちゃん』と一緒に、穴党垂涎のバンクでくり広げられる熱いレースを現場でも楽しみたいですね!
- ウィンチケット編集部
- WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。
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