競輪コラム

伊東競輪を徹底深堀! バンクの特徴や特別競輪の見所、歴史などを解説!

伊東競輪のバンクの特徴について

関東屈指の温泉街、静岡県伊東市にある『伊東温泉競輪場』。名産のみかんをモチーフにしたマスコットキャラクター『ミカリン』にちなんで「MIKARIN BANK」との愛称もある走路は1周333mの小回りバンクです。

直線は46.6mと33バンクの中で2番目に長く(※1)、カントは34°41′9″とかなりキツいです(※2)。

※1:33バンクで直線が最も長いのは前橋の46.7m、最も短いのは小田原の36.1m
※2:33バンクで最もカントがキツいのは前橋の36°0′0″、最も緩いのは松戸の29°44′42″

直線の長さからか「乗っている感覚が400バンクに近い」という選手の声が聞こえてきますが、差しの決まり手が多いというデータはなく。むしろ他場に比べて「逃げの1着が多い」傾向が見られます。

捲りも同等の割合で決まっているので「狙いは先行選手から」になるでしょう。1995年(平成7年)の全面改修以降はクセのない走路になっており、地元やベテランが有利ということはありません。また、崖を切り崩して造られたバンクの周りは丘に囲まれていて、風の影響もほとんどなし。つまり競走得点や勝率に出ている力差で逃げか捲りの決着になりやすいのです。

対抗ですが、2着はマークが多いというデータがあり、「スジで決まりやすい」場。逃げか捲りかを決めたら、あとはライン決着という車券が狙い目になります。

例えばミッドナイト競輪のチャレンジで強力な機動型の新人がいるレースを確認。2番手、3番手の選手が千切れず、ツキバテしない脚力がありそうならば、ラインそのまんま決着で勝負できる場ということになるのです。

2019年(令和元年)よりミッドナイト競輪を開始している伊東温泉競輪場。直近でいうと10月15日(金)から17日(日)の3日間、『WINTICKET杯(F2)』が開催されます。

チャレンジ戦の注目は木村皆斗選手(A3・茨城・119期)。特別昇班がかかるレースですので、全日全力で1着を獲りにくるでしょう。恐らく最終日は同期の堀江省吾選手(A3・長野・119期)という強敵を相手にしなくてはならないと思われますが、初日、2日目は頭で狙えますのでお見逃しなきように。

A級1・2班戦には地元の渡邉雅也選手(A2・静岡・117期)が登場します。G1タイトル2冠で地元の英雄、渡邉晴智選手(S1・静岡・73期)を父に持つサラブレッド。姉の栞奈さんが現在、養成所でがんばっているということで(122回生)、優勝してエールを送りたいところでしょう。

ちなみに雅也選手の従兄弟の渡邉雄太選手(S1・静岡・105期)は直後の10月21日(木)から24日(日)に弥彦競輪で開催される、第30回『寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(G1)』に出場予定。ビッグレース常連の雄太選手にも優参、優勝目指してがんばってほしいですね。

伊東競輪の記念競輪、歴史について

最後に伊東温泉競輪場の歴史を少々。開設は1950年(昭和25年)。当初は『伊東競輪場』という名前でしたが世間になじみのある温泉の名を冠するようになり、1998年(平成10年)に今の名称が正式なものとなりました。

特別競輪は1999年(平成11年)に『ふるさとダービー(かつてのG2)』、2002年(平成14年)と2006年(平成18年)に『東王座戦(かつてのG2)』、2017年(平成29年)に『サマーナイトフェスティバル(G2)』、2014年(平成26年)と2020年(令和2年)には『共同通信社杯(G1)』が開催されています。

また2012年(平成24年)には韓国の競輪選手を招いておこなわれた『日韓対抗戦競輪』の第1回大会がおこなわれています。韓国の選手もレースが終わったら温泉に浸かって帰れるということで、さぞかし喜んだのではないでしょうか。

お客としても競輪を楽しんだ後に温泉入って宴会を楽しめるのは嬉しい限り。旅打ちで行くにはもってこいの競輪場です!

ウィンチケット編集部
WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。

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