KEIRINグランプリ ユニフォームの歴史を解説!
競輪のレースを観戦する際、見た目で車番を判断しやすいようにヘルメットとユニフォームが色分けされていることはご存知だろう。しかし『KEIRINグランプリ(GP)』に出場したS級S班の選手のみ、他とは違うデザインのユニフォームを着用していることにお気づきだろうか。
まず色分けだが、1番車=白、2番車=黒、3番車=赤、4番車=青、5番車=黄、6番車=緑、7番車=橙、8番車=桃、9番車=紫となっている。通常のユニフォームは基本的にJKA各地区本部が所有している備品であり、レースごとに出走する選手へ貸し出してくれるため、毎回全色ユニフォームを持参する必要はない。ただし、スポンサーの入っているユニフォームは各選手の所有物であるため、持参しなくてはならない。
ちなみにパンツはA級が黒地に緑のライン上に7つ星、S級1班と2班は黒地に赤のライン上に7つ星となっている。このS級の中でもS班の9名、すなわち前年末のGP出場者のみ、赤地に黒のライン上に7つ星の通称「赤パン」の着用が許されているのはご存知かもしれないが、パンツだけではなく、ユニフォームも特別な「グランプリユニフォーム」の着用できるのである。
遡ること1998年(平成10年)の第14回GP。出場するメンバーにオリジナルユニフォームを着用する資格と名誉が与えられた。このときは選手自身によるデザインのユニフォーム採用され、翌年7月開催だった『寛仁親王牌(G1)』からGP前日までの着用が許された。
1999年(平成11年)の第15回と2000年(平成12年)の第16回はコシノジュンコ氏によるデザインのユニフォームが採用。選手ごとに異なるオリジナルユニフォームを2000年は3月開催だった『日本選手権(G1)』からGP全出場選手決定日まで、2001年は3月開催だった日本選手権から11月開催だった『全日本選抜(G1)』まで着用が許されたのである。
この流れが変わったのは2002年(平成14年)。第18回大会直前にネット投票がおこなわれ、選手ごとに異なるものではなく統一されたデザインのユニフォームが採用されることとなった。
高田延彦氏が監修したデザインは前面胸部に大きく「KEIRIN」の「K」の文字。背面には車番とKの文字に「GRAND PRIX」と添えられている。これが9色用意されているのだが、優勝者のみ違う。GP優勝者には1年間を通じて1号車が与えられるので、色は白のみ。金の装飾が施され、前面Kの下には「KING of KEIRIN」の文字(採用当初は「KEIRIN」のみ。後に変更)。背面には「GRAND PRIX CHAMPION」の文字が金色に輝いている。
以降、現在までこのデザインのユニフォームが使われている。ただし、GPのレースではこれとは別の、GP専用ユニフォームを着用することになるのだ。
昨年、2020年(令和2年)の第36回GP、『KEIRINグランプリ2020』ではコンセプトデザインを担当した『WINTICKET』がユニフォームデザインも担当した。メインコンセプトである「ヒトは、強い。」を基にして、選手からにじみ出る「ヒトの強さ」を落とし込んだ、身体の内から出る激しさを表現したユニフォームになっていた。試走用、公開練習用、式典用も同様のデザインが採用されている。
そして今年、2021年(令和3年)の第37回GP、『KEIRINグランプリ2021』もコンセプトデザイン担当『WINTICKET』がユニフォームをデザイン。今回のメインコンセプトである「HERO」の文字をあしらった競走ユニフォームが完成した。チャンピオンジャージや式典ジャージにも大きく「HERO」の文字。
ちなみに『ヤンググランプリ2021』のユニフォームも『WINTICKET』がデザイン。こちらは「YOUNG」の文字が大きく記されている。『オッズパーク杯 GIRL'S GRAND PRIX 2021』のユニフォームは公式スポンサーの『ウエイブワン』製作のもの。桜をモチーフとした通常のものとは違い、波を表現したデザインになっている。ヤングもガールズもいつもと違った晴れ着でのレースは気合いの入り方も違ってくるだろう。
「GRAND PRIX」専用の“鎧”を身に纏った選手たちによる、競輪界最高峰のもがき合いが観られるのは12月28日(火)、29日(水)、30日(木)の3日間のみ。誰が「CHAMPION」の栄冠に輝くのか。誰が「KING of KEIRIN」の称号を勝ち取るのか。その瞬間を刮目せよ!
- ウィンチケット編集部
- WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。
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