競輪の「S級S班」のなり方やメリットについて解説!
今年、2021年1月4日(月)から立川競輪場にて4日開催でおこなわれたG3『鳳凰賞典レース』に次いで2つ目の記念レースとなったG3『岸和田キング争覇戦』。
岸和田競輪場が改装中のため、1月9日(土)から4日間、和歌山競輪場で開催されたシリーズでは、昨年の『KEIRINグランプリ2020』の覇者・和田健太郎選手が出場しました。
節間すべて観戦していて、こんなことが気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「なぜ和田選手は毎日、1番車に乗っているのか?」
それはKEIRINグランプリで優勝したからです。
前年のKEIRINグランプリで優勝した選手は翌年のKEIRINグランプリ直前まで(12月26日まで)、出走するレースすべてで1番車になるという優遇処置を受けられるのです。
ちなみにKEIRINグランプリに出場する資格を得た時点で除外規定の対象にならなければ(正当な理由なく何度も欠場したり、G1やG2で3回以上失格するなど)、S級S班に選出され、S級レースの特別選抜予選にシード出場が約束されます。その上、KEIRINグランプリで優勝すれば1番車が常に与えられるのです。
約1億円の優勝賞金に加えてこの優遇処置は、選手にとってとても魅力的なものでしょう。毎回1番車ということは常にスタートを取りやすいので、レースを有利に運べます。もちろんS級S班の9名に選ばれるだけでも一次予選免除というシード権が得られますし、KEIRINグランプリ以外の特別競輪(G1・G2)へ優先的に出走できる権利が得られるのでかなり優遇されています。年に1回、1カ月の公休が取れるというのも羨ましい限り。
KEIRINグランプリでの優勝を目指すのはもちろん、とにかくKEIRINグランプリに乗ってS級S班の9名に選ばれたいとすべての男子選手が願うのは当然ですね。
S級S班になる条件や、歴史について
S級S班になる、すなわちKEIRINグランプリに出場するには1月から競輪最終日までの間に開催されるG1で優勝するか、世界選手権自転車競技大会個人種目優勝ないしオリンピック自転車競技個人種目でメダルを獲得するか、年間獲得賞金上位にランキングしなければなりません。
全競輪選手2,363名から女子選手152名を除いた2,211名(2020年10月1日時点)いる男子選手のトップ9名がS級S班となるのです。7月の期変わりでも降格することなく、12月26日までS級S班なのです。
S級S班というクラスは2007年開催に『KEIRINグランプリ07』から適用されました。同時に『SSカップみのり』と『SSシリーズ風光る』というレースが企画されたため、当初は18名選出されていました。2011年にそれらのレースが廃止され、2012年以降はKEIRINグランプリ出場資格獲得の9名になったのです。
S級S班の選手はレース中の見た目でもわかります。いわゆる「赤パン」と呼ばれている赤地に黒いラインが入ったレーサーパンツを履いて出場します。ちなみに他のS級選手は黒地に赤いライン、A級の選手は黒地に緑のラインです。
2021年のS級S班選手
というわけで、今年、2021年に赤パンを履いてバンクを走るのはこの9選手になります。
・和田健太郎選手(千葉・87期)
・脇本雄太選手(福井・94期)
・新田祐大選手(福島・90期)
・守澤太志選手(秋田・96期)
・松浦悠士選手(広島・98期)
・清水裕友選手(山口・105期)
・佐藤慎太郎選手(福島78期)
・平原康多選手(埼玉・87期)
・郡司浩平選手(神奈川・99期)
S班のSはスーパースターのS。その名に恥じないレースを見せてくれるトップ・オブ・トップの9名が競輪界を大いに盛り上げてくれることに期待しましょう♪
- ウィンチケット編集部
- WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。
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