KEIRINグランプリ2021 郡司浩平選手に帝王・山田裕仁氏がインタビュー!
KEIRINグランプリ2021に出場する郡司浩平選手。帝王・山田裕仁氏がグランプリにかける思いや心境をインタビューしました!
※このインタビューは競輪祭(GI)前に実施したものです
山田:まずは、今年もグランプリ出場、おめでとうございます!
郡司:ありがとうございます!
山田:グランプリ関係の話をする前に、まずは2月の川崎・全日本選抜競輪(GI)で優勝したときの話からお聞きしようかと。地元での開催ということで、「ここは絶対に獲る!」と意気込んでレースに向かったと思うんだけど……優勝したときの心境はどういったものだった?
郡司:あのレースを大目標としてずっとやっていましたから、努力が最高の結果に結びついたことが本当にうれしかったですね。
山田:しかも地元の川崎では、4月の記念でも優勝してるじゃないですか。狙ったところをキッチリ獲るというか……地元開催へ向けての調整力は抜群だよね。
郡司:自分としては、そこまで地元開催にこだわっているつもりはないんですよ(笑)。練習や調整も、ほかの大きなレースと変わらないというか。でもやっぱり地元でのレースとなると、気持ちの面で引き締まるんでしょうね。それが僕の場合は、いい方向に出ているんだと思います。
山田:練習の内容や調整うんぬんではなく、地元開催に対する「気持ち」の強さが、レースでの好結果に結びついているってことね。
郡司:そうですね。身体の調子に関していえば、どのGIに出場する場合であっても、大きくは変わらないはずなんですよ。普段から、そこにピークを持っていくように心がけていますから。となると、何がプラスになっているかといえば、やっぱり「気持ち」じゃないですかね。そういった面が、地元開催ではとくに大きいのかなと感じています。
山田:いやあ、素晴らしい! 地元のプレッシャーに負けて、逆に成績を落とすような選手が少なくないことを考えると、郡司くんはやっぱりすごいね。そして、年明け早々に今年のグランプリ出場も確定させちゃったと。
郡司:グランプリ出場を早い段階で決められたことについては、最初は「気持ち的にも余裕が出ていいな」とか思っていたんですよ。それに、周りの人もそう言ってくれて。
山田:私も早々とグランプリの出場権が取れたことがあって、年末のグランプリに向けてかなり有利に戦える1年になるな……なんて思っていた記憶があるね。でも、郡司くんの場合は違ったんだ?
郡司:違ったというか、読み違えていたというか(苦笑)。当初は「グランプリに向けてしっかり準備できそうだな」とか思っていたんですが、それこそ毎月のようにGIやGIIといったビッグレースがやってくるじゃないですか。
山田:そうなんだよね、競輪選手ってオフシーズンがないから。
郡司:で、そういったところを走るとなれば、僕はそこに全力を……という気持ちになってしまうんですよ。目の前のレースに集中して臨めていたとは思うんですが、それを繰り返していると、時間なんてあっという間に過ぎてしまって(笑)。そして気が付けば、グランプリが迫ってきているという感じですね。
山田:いや、よくわかるよ。年末のグランプリに出るためにみんな頑張っているとはいえ、特別競輪が目先にあると、そのレースに向けて頑張ってしまう。だから、早くから「グランプリを見据えて」っていうのは、難しいんだよね。
郡司:そうですね。早くにグランプリの権利が取れたことで、気持ちの面ではどこか余裕があったのかもしれませんが、それで有利になったという感じはまったくなくて。目の前の大きなレースに照準を合わせて、1年間頑張ってきた先にグランプリがあるという、そういう感覚でしかないんです。
山田:なるほどねえ。さて、まだ競輪祭(GI)が残っている状況ではあるんだけど、グランプリまでの期間がだいぶ短くなってきたじゃないですか。グランプリに向けての調整というのは、もう始めているの?
※競輪祭(GI)前にインタビュー実施
郡司:いや、身体に関してはまだ何も始めていないんですよ。でも、練習などの日々の積み重ねは、もちろん怠らないようにしています。
山田:やっぱり、競輪祭が終わらないことには、グランプリモードのスイッチが入らないよね。
郡司:ただ、競輪祭が終わってしまうと、そこから1カ月以上もレース間隔が開いてしまうじゃないですか。自転車のセッティングを試したくても、実戦では試せなくなってしまう。なので、そのあたりは競輪祭までにしっかり煮詰めておきたいですね。
山田:確かに自転車のセッティングって、練習だけでは納得のいくものに仕上げられないところがあるよね。実戦で試してナンボというか。
郡司:ハイ。なので、まずは競輪祭までに自転車などを不安のない状態まで持っていって、そして競輪祭が終わってからグランプリまでの期間で、身体や気持ちをピークに持っていけるようにしたいと思います。
山田:じゃあ、競輪祭が終わった後に特別合宿をするとか?
郡司:まだ予定はありませんが、1カ月以上もあるので……できれば合宿を組んだりしたいところではあります。ただ、コロナ禍が完全に終息したわけではありませんし、感染者数がここから急激に増えたりするケースもあるでしょうから、そのあたりは様子を見ながらになりますね。
山田:練習ひとつとっても、自由にはやりづらい状況だからねえ。
郡司:本当は「沖縄まで合宿に行きます!」とか言いたいんですけど、こんな状況で気軽になんて行けませんから(笑)。
山田:では次に、今年のグランプリについてもう少し具体的な話を聞かせてください。まだ競輪祭が控えているとはいえ、どういった出場メンバーになるか、ある程度は見えてきているじゃないですか。現時点で、「たぶん今年はこんな感じになるだろう」みたいなイメージはあるのかな?
郡司:う~ん……ある程度のイメージはありますが、脇本さん(脇本雄太選手)や新田さん(新田祐大選手)が競輪祭を獲って出場してくると、そのイメージ自体がガラッと変わりますよね。
山田:脇本くんと新田くんの「どちらか」しか出てくる可能性がないとはいえ、彼らが出るか出ないかはやっぱり大きいよね。レースの流れ自体が大きく変わる気がする。
郡司:間違いなくそうですよ。予想する側もそうでしょうけど、同じレースを走る選手の側もだいぶ変わってきます。
山田:そういえば郡司くんって今年、脇本くんとは一度も対戦していないんじゃない?
郡司:そうなんですよ。オリンピックが終わって脇本さんが競輪に戻ってきた時期に、僕は病欠していて。だから結局、ここまで対戦する機会がなかったんですよね。
山田:そしていまは脇本くん、かなりひどい腰痛で大変みたいだね。今年対戦できるかどうかはともかくとして……郡司くんとしては、グランプリの舞台でまた脇本くんと戦ってみたいと思う?
郡司:昨年も一昨年も、同じようなレースでやられちゃっている感じですから……う~ん、なんとも言えませんね。
山田:強い選手を倒して優勝したいという気持ちがあるとはいえ、グランプリみたいな大舞台に強敵がいてほしいかといえば……いないほうが本当は「楽」だよね(笑)。
郡司:正直な話、そのほうが楽です(笑)。でも、脇本さんがいたほうが、レースの流れはわかりやすくなるんですよ。どういった展開になるかをイメージしやすい。そこは、メリットといえなくもないですね。
山田:なるほど。ちなみに、今年のグランプリは静岡が舞台なので、南関東の郡司くんにとっては「準地元」みたいなところがあるよね。他地区の選手には獲らせたくないと思うだろうし、気持ちも自然と入るんじゃない?
郡司:南関東から出場するのはいまのところ僕1人なので、そういった気持ちもあります。でも、欲をいえばもう1人、南関東の選手が競輪祭で優勝して出場を決めてほしいですね。南関東を盛り立ててきたような自力選手が一緒に出場してくれれば、お互い心強いと思うんですが。
山田:では、仮にその願いが叶ったとして……郡司くんの前を回ってくれる人と、後ろを固めてくれる人ならば、どちらのほうがありがたい?
郡司:それは、どちらでも(笑)。ちょっと話は変わりますが、いつかはグランプリで深谷さん(深谷知広選手)の前を走って、しっかり自分の仕事をしたいという気持ちもあります。
山田:そうだよね、深谷くんの前も回りたいよね。深谷くんのほうが、なかなか「いいよ」と言ってくれないかもしれないけど(笑)。では最後に……グランプリで目指すは、もちろん優勝ですよね!
郡司:もちろん、優勝を目指して全力で走ります! でもそれ以上に、落ち着いて走りたいというか……今年でもう3回目になるので、もう少し自分らしい競輪をして、悔いの残らない結果を出したいという気持ちが強いですね。
山田:勝ち負けはともかく、悔いの残らない内容のレースがしたいと。
郡司:そうです。後から「こうすればよかった」とか「あそこでの判断を間違えた」と悔やむようなレースはしたくない。その上でいい結果を出せれば、最高にうれしいですね。
山田:たとえ負けたとしても、「やることは全部やって負けた、力負けだ」と思いたいよね。そして勝った場合でも、偶然ではなく、自分が思った通りのレースができて勝ったと実感したい。
郡司:それが理想ですね。今年のグランプリでも、そんな走りがしたいです。自分のいいところ、アピールできるところを思う存分出せるように頑張りますので、応援よろしくお願いします!
「KEIRIN GRAND PRIX 2021」公式特設サイトにて出場選手インタビュー公開中
- ウィンチケット編集部
- WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。
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