ヤンググランプリ2021出場 石原颯選手インタビュー
ヤンググランプリ2021に出場する石原颯選手。出場にかける思いや意気込みを伺いました。
── ヤンググランプリ出場、おめでとうございます! まずは、現在の心境から聞かせていただけますか?
ちょっと緊張しています。
── それは武者震いというか……それだけヤンググランプリにかける気持ちが強いということでしょうか?
出場できそうではあったので「出られたらいいな」くらいに思っていたんですが、実際に出場するメンバーの顔ぶれを見ると、やっぱり少し緊張してきますね。
── 本当に手強い相手が揃いましたよね。ヤンググランプリへの出場が決まって、周りの方からの激励などがあったと思うのですが、いかがでしょう?
同県の先輩たちや、あとは親からも「頑張って!」と言ってもらいました。
── では、その声援に応える走りをしたいですね。では、ヤンググランプリについての話をお聞きする前に、まずは今年を振り返っていただきましょう。石原選手にとって、2021年はどんな年でしたか?
良くも悪くも、いろいろな経験ができた1年になりましたね。S級での初優勝にGI出走……あとは落車とか(笑)。
── 記念での初優勝も、手が届きそうなところまできている印象ですよ。「惜しくも」という結果が続いているので、「次こそは!」と燃えていらっしゃるのではないかと。
そこはまあ……運が向けば、ですね(笑)。
── 同期の活躍に触発される部分もありそうですよね。6月には、町田太我選手が松山記念で優勝。そして9月には、山口拳矢選手が共同通信社杯(GII)で優勝と、117期の快進撃が続いています。石原選手にしてみると、ちょっと先を越されてしまった感があるのではないかと。
町田がGIIIを勝ったときは、べつに何も思わなかったんですよ。でも、拳矢さんがGIIを勝ったときは……正直なところ焦りましたね。
── それはちょっと意外ですね。町田選手と普段から仲が良いとはいえ、同期が先にGIIIを勝ったとなれば、うれしさと同時に悔しさも出てくるような気がするのですが。
町田については、出場していたメンバー的に、優勝して何の不思議もないと感じていましたから。
── でも、山口拳矢選手のときはそうではなかったと。
そうですね。共同通信社杯には僕も出場していましたが、レース中の落車で鎖骨を骨折。それに対して拳矢さんは、あの相手に単騎で勝負して優勝ですよ。自分はいったい何をやっているんだ……と強く思いました。
── その悔しさをバネに、もっと頑張ろう、強くなろうという気持ちにもなりますよね。今後に向けての課題として、石原選手が強化を図っている部分はどこになるのでしょう?
スピードをもっと上げたいので、いまは回転数を上げる練習に励んでいますね。軽いギアを踏んで練習するんですが、ペダリングをきれいにしないと、自転車がなかなか前に進んでいかないんですよ。
── その練習で「きれいなペダリング」を身につけることで、回転数も上がると。
そうです。その状態でレースで使うような大きなギアを踏むと、当然ながら重さは感じるんですが、ペダリングがきれいになっているのでロスがない。だから回転数が上がって、スピードも出るんです。
── そんな走りを身につけた石原選手は、ヤンググランプリでもこれまで以上のスピードを見せてくれそうですね! ところで、ヤンググランプリまでの約1カ月間は、どのように過ごされる予定でしょうか?
※金亀杯争覇戦(GIII)前にインタビュー実施
松山で記念を走った後、高知のFIに出場してからヤンググランプリですね。その合間に、練習もしっかりやりますよ。
── では、ヤンググランプリの前に松山でGIIIを獲って、その勢いに乗って年末の大一番も……という流れを期待しましょう。
いや、松山の記念は地元の選手に獲ってもらいたいですね(笑)。去年も、地元の松本さん(松本貴治選手)が優勝しているレースなんですよ。
── とはいえ、石原選手も四国地区ですから、チャンスはあるんじゃないですか?
そこに割り込んでいくのはちょっと……怖くないですか(笑)。
── 地元の選手が多く勝ち上がるとは思いますが、そこに無理に割り込まなくとも、勝ち上がりの結果次第で十分にチャンスはありますよ!
では、自分が獲るくらいの気持ちでいきます!
── ではここで話を戻して……先ほど名前のあがった町田選手も、ヤンググランプリに出場されます。中四国での連係がありそうですが、そのあたりについて、もう相談されているのでしょうか?
ハイ、けっこう前から話しています。じつは、出場が正式に決まる前から、どうするかを相談していたんですよ。
── では、ヤンググランプリは町田選手と連係して挑むと。
そうですね。町田が前、僕が後ろで走ることになると思います。
── それは、スムーズに決まったんでしょうか? 石原選手が前で頑張りたい、譲れないという気持ちもあったのではないかと推察しますが。
いや、それはありましたよ。ルーキーシリーズでは僕が町田の後ろを回らせてもらっていたので、「今度は自分が前を回るよ」と言ってもいます。
── でも、そうはならなかったんですね。
町田に「いや、そういうのいらないから」と一蹴されました(笑)。でも僕も抵抗して、競走得点がヤンググランプリまでに110点あったら前を回ると言ったんですけど、残念ながらキツそうなんで……。おとなしく、後ろで頑張ります。
── そんな経緯で決まったんですね(笑)。町田選手とラインを組まずに、お互い単騎で勝負するという考えはなかったんでしょうか?
その考えはなかったですね。スピードのある自力選手しか出場していないところで単騎勝負を挑んでも、自分たちの勝つ確率を下げるだけでしょうから。ならば、ラインを組んで戦ったほうがいいと思った次第です。
── もちろん狙うのはワンツーでしょうけど、どちらかが優勝を狙うという意味でも、ラインを組んだほうがいいと判断されたわけですね。
そういうことですね。
── とはいえ、ラインの後ろを固めるとなると、いわゆる「ヨコの動き」が重要となってきますよね。石原選手にとってあまり経験のないことだと思うのですが、その練習はされているんでしょうか?
していませんが、そこは気合いで(笑)。車間をきると町田が踏みあげて僕が追いつけなくなってしまうので、車間はきらずに……後ろからくる選手をぜんぶ止めてやるくらいの気持ちで頑張ろうと思います!
── その意気込みを聞けば、町田選手もさぞかし心強いことでしょう。ちなみに、どんな作戦でいくかというイメージは、もう固まっていますか?
僕はまったく考えていないです。そのあたりは、他地区の選手がラインを組むのかどうかや、その先頭が誰になるのかにもよりますね。それがわかってからでないと、作戦は立てられないですから。
── では、ヤンググランプリに出場される選手のなかで、石原選手がとくに意識されている選手がいれば教えてください。
う~ん……やっぱり同期は意識しますね。
── となると、山口拳矢選手と寺崎浩平選手。あとは、ラインを組む仲間ではありますが、町田選手ですか。やはり、同期には負けたくないですか?
負けたくはないですが……それと同じくらい、同期から優勝者を出したいという気持ちもありますね。そんなことを思っているのは、出場選手のなかで僕だけかもしれませんけど(笑)。
── いやでも、そういう気持ちがあると聞けてうれしいですよ。知ってはいましたが、やはり競輪選手にとって同期というのは特別な存在なんですね。
もちろん、町田とワンツーを決められるのがベストで、どちらかが優勝するのがベターではあります。でも、それが叶わなかった場合には……117期から優勝者が出てほしいですね。拳矢さんか寺崎さんに捲られるのであれば、仕方がないです。
── ヤンググランプリでは、ファンにどんな姿を見せたいですか?
僕は町田の後ろなので、自分にできることを精一杯やりたいですね。後ろからきた選手を止めにいって、落車させたらどうしようかと思いますけど(笑)。
── では、ご自身が落車することも、誰かを落車させることもないようにして、頑張っていただきたいと思います。それでは最後に、ヤンググランプリに向けての意気込みと、ファンへのメッセージをお願いします。
僕にやれることを精一杯やります。応援よろしくお願いします!
「KEIRIN GRAND PRIX 2021」公式特設サイトにて出場選手インタビュー公開中
- ウィンチケット編集部
- WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。
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