防府競輪を徹底深堀! バンクの特徴や特別競輪の見所、歴史などを解説!
防府競輪のバンクの特徴
地元・山口県防府市出身の作家、伊集院静氏が「日本一小さな競輪場」と自署に記した『防府競輪場』は、国内で最も西に位置する33バンク(333m走路)です。
2018年(平成30年)に改修され、凹凸がなくなって走りやすくなったと言われている防府バンクの直線は42.5mと33バンクの中では長め(※1)。カントは34°41′9″とキツめになっています(※2)。
※33バンクで直線が最も長いのは前橋の46.7m、短いのは小田原の36.1m
※33バンクで最もカントがキツいのは前橋の36°0′0″、緩いのは松戸の29°44′42″
33バンクといえば一般的に逃げが有利とされますが、比較的直線が長いのとカントのキツさで2センターを使った捲りが決まりやすく、逃げと捲りはほぼ同じくらいの勝率になっています。
特に直線は中央が伸びやすいため、その特徴を知っている地元地域の捲りが強い選手は有利になるでしょう。
いずれにしても逃げか捲りの先行型が強い場であり、他場に比べて差しはほとんど決まりません。しかも2着に入るのはマークが多いというデータも出ているので、差し目なしのラインでワンツー決着が本命となります。ポイントは3着。
2センターを使った捲り追込みは頭まで届かなくても、3着には絡んできやすいのです。なので3車ラインそのまんま決着はさほど多くありません。強力な機動型が先行する逃げの本命3車ラインがあるレースで、捲ってくる選手を3着に絡めて買うのがオススメです。
あと、もうひとつ。防府競輪場は東、北、西と三方を山に囲まれた立地にあり、山から風が降りて来やすいのですが、北と東は建物が遮ってくれます。問題は西風。特に冬場、西の天神山から吹く風は、高い建物がなくて口を開けている3コーナーから入り込み、グルッと場内に巻き込みます。結果、どこを走っても向かい風になってしまうのです。
このことから、西風が吹くときは早めの捲りが決まりにくく、逃げの選手も脚を使わされるため、遅めの捲りがいつも以上に決まりやすくなります。ピンポイント天気予報で風向きと風速はチェックしましょう。
そんな西風が吹きやすい冬場の晩秋に行われることが多い記念競輪(G3)『周防国府杯争奪戦』は今年、2021年(令和3年)も11月に開催が予定されています。
直近のレースは8月10日(火)から12日(木)に行われるF1『第25回 山頭火争奪戦』。
これは、初めてのナイター開催となるG1『オールスター競輪』の日中も競輪を楽しもうということで企画された4場共同の『KEIRINライジングスターズ』シリーズになります。
6日間開催のオールスター日程、前半にあたる8月10日(火)から12日(木)は西武園と防府で、後半の13日(金)から15日(日)は青森と京都向日町で昼開催が行われます。
ちなみにオールスター期間中はモーニング競輪(10日から12日が別府、13日から15日は武雄)やミッドナイト競輪(12日から14日が宇都宮と豊橋、15日が川崎初日)の開催もあって、朝から深夜まで競輪を堪能できるようになっています。ファンにはたまらないですね。
防府競輪の歴史・記念競輪について
話を防府競輪場に戻しますと、開設されたのは1949年(昭和24年)で、中国地方では最も歴史の長い競輪場です。国体の会場としても使われています。
特別競輪は1996年(平成8年)、2002年(平成14年)、2006年(平成18年)に『ふるさとダービー』(かつて行われていたG2競走)、2015年(平成27年)にはG2『共同通信社杯』が開催されています。
現在、地元のエースといえば清水裕友選手(SS・山口・105期)。今回のオールスターでも、もちろん優勝候補の一人です。
直近レースの『山頭火争奪戦』には師匠である國村洋選手(A1・山口・80期)が登場。夜に走る弟子に負けじと、地元昼開催で奮起してくれるでしょう。
戦国武将の兜をかぶったマスコットキャラクターの『ホープくん』と共に、オールスター前哨戦を防府競輪で大いに楽しみましょう!
- ウィンチケット編集部
- WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。
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