松阪競輪の歴史と特徴を徹底深堀! バンクの特徴と特別競輪の見所も解説!
かつて三重県には2つの競馬場がありました。
津市の阿漕ヶ浦(あこぎがうら)競馬場と四日市市の霞ヶ浦競馬場です。昭和初期からあった競馬場でしたが、昭和20年代(1940年代)になると競輪が競馬を凌駕するほどの一大ブームとなり、2つの競馬場を廃止して競輪場を造ることにになりました。
ひとつは『四日市競輪場』、そしてもうひとつが『松阪競輪場』です。今回は1950年(昭和25年)5月に開設された『松阪競輪場』のお話をしましょう。
松阪競輪場の歴史
三重県松阪市春日町の桜木記念病院すぐ近くにある競輪場。
開設から長年、『四日市競輪場』と交互に開催されていましたが、2007年(平成19年)より『四日市競輪場』がナイター開催になったため(記念競輪を除く)、同時開催もおこなわれるようになりました。なお、2018年(平成30年)よりミッドナイト競輪も開催されています。
ビッグレースは2002年(平成14年)と2007年(平成19年)に『ふるさとダービー』(かつておこなわれていたG2)、2011年(平成23年)と2019年(令和元年)に『共同通信社杯』が開催されています。
レースがないときは場を一般開放して、現役選手が指導してくれたり、子どもが楽しめたりするイベントを定期的に開催。また、競輪場併設の選手宿舎も『松阪スポーツ振興研修センター』という名で開放して宿泊ができるほか(原則として15名以上の団体限定)、トレーニングジムや貸し会議室の利用が可能になっています(これらは個人でも可)。
松阪競輪場のバンクについて解説
バンクは400m。最大カント34°25′29″は400バンクの中で最もきついです(400バンクで最もカントが緩いのは西武園の29°26′54″)。
その上、直線も長めの61.5m(400バンクで最も長いのは武雄の64.4m、最も短いのは佐世保の40.2m)。
捲り追い込みが決まりやすく、先行選手には厳しいバンクとなっています。
直線のイエローライン付近に伸びるコースがあり、そこを知っている選手ならば捲りの番手や3番手からでも頭になったり、連に絡んできたりして、高配当を演出するので要注意です。
このことは最高上がりタイムが中川誠一郎選手の7番手捲りを差し切った井上昌己選手が叩き出していることからもうかがえます(10.4秒)。
松阪競輪の記念競輪は?
記念競輪は織田信長や豊臣秀吉に仕えて伊勢松阪城の城主となった武将・蒲生氏郷(がもううじさと)にちなんだG3『蒲生氏郷杯王座競輪』です。
今年、2021年(令和3年)はそれだけでなく、ビッグレースのG2『第5回ウィナーズカップ』が開催されます。
ウィナーズカップとは、3月25日(木)から28日(日)の4日間開催されるこの大会は昨年7月から12月の選考期間中に1着回数上位者から選手が選出される、"WINNERS"の中の"WINNER"を決める戦い(カップ)です。
第5回ウィナーズカップ見どころは?
脇本雄太選手(福井・94期)と新田祐大選手(福島・90期)の2人は残念ながら不在ですが、他のS級S班7名は全員出場。『競輪祭』、『KEIRINグランプリ』、『全日本選抜競輪』とビッグレースを3連覇している南関東のエース・郡司浩平選手(SS・神奈川・99期)が優勝候補筆頭となるでしょう。
対抗する関東勢からは、今年記念を3回優勝している平原康多選手(SS・埼玉・87期)。連係するのは若手エースの森田優弥選手(S1・埼玉・113期)……そうそう、年末の『ヤンググランプリ』出場者も選抜されているので、南関勢には松井宏佑選手(S1・神奈川・113期)もいます。森田選手と松井選手の戦いも見物ですね。
北日本からは佐藤慎太郎選手(SS・福島・78期)。高橋晋也選手(S1・福島・115期)や守澤太志選手(SS・秋田・107期)との連係を見てみたいです。
地元の三重は浅井康太選手(S1・三重・90期)と伊藤裕貴選手(S2・三重・100期)の2名しかいませんが、3月大垣記念最終日の『ルーキーチャンピオンレース』で優勝した山口拳矢選手(S2・岐阜・117期)がいるので、中部連係も侮れません。
近畿からは寺崎浩平選手(S2・福井・117期)。近況調子の良い古性優作選手(S1・大阪・100期)とのラインが楽しみです。
中国勢といえば松浦悠士選手(SS・広島・98期)と清水裕友選手(SS・山口・105期)のゴールデンコンビですが、共に優参する可能性は極めて高いでしょう。原田研太朗選手(S1・徳島・98期)や松本貴治選手(S1・愛媛・111期)との中四国ラインはあるのでしょうか。
九州からは近況絶好調の北都留翼選手(S1・福岡・90期)。捲り有利の松阪ならば、単騎での一発も十分にあり得ます。
ちなみに最終日の3月28日(日)第9Rは『ガールズケイリンコレクション2021松阪ステージ』がおこなわれます。
前年7月から12月までの選考期間の平均競走得点上位7名による一発勝負に出場するのは児玉碧衣選手(福岡・108期)、佐藤水菜選手(神奈川・114期)、高木真備選手(東京・106期)、梅川風子選手(東京・112期)、石井貴子選手(千葉・106期)、鈴木美教選手(静岡・112期)、坂口楓華選手(京都・112期)です。女王・児玉選手に負けず劣らず勝ちを重ねている佐藤選手と高木選手の3強に割って入るのは112期の若手3人か、それともベテランの石井選手か。華麗な走りながらも激しいバトルを期待してしまいます。
松阪といえば松阪牛。というわけで、牛をモチーフとしたマスコットキャラクター「マック」と「マッキー」と一緒に、『松阪競輪場』でのビッグレースを大いに楽しみましょう♪
- ウィンチケット編集部
- WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。
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