久留米競輪を徹底深堀! バンクの特徴や特別競輪の見所、歴史などを解説!
多くの自治体が戦後復興のために競輪事業を始める中、1945年(昭和20年)8月11日の空襲で甚大な被害を受けた福岡県久留米市でも競輪場を造ることになりました。
1949年(昭和24年)、かつて軍事施設があった場所に建てられたのが『久留米競輪場』です。
春に開設した場の建設費は1,200万円。同年7月に6日間開催された第1回競輪大会の売上はなんと1,700万円もあり、建設費を一度で返済できたというのですから当時の競輪ブームは凄まじいですね。
特別競輪は1991年(平成3年)と2016年(平成28年)に『全日本選抜競輪』、1998年(平成10年)と2008年(平成20年)に『共同通信社杯競輪』、2003年(平成15年)に『ふるさとダービー』(かつて行われていたG2競走)が開催されています。
近くにある飯塚オートレース場と共用していた移動式照明器具を使って、2011年(平成23年)よりナイター競走も行われるようになりました。2016年(平成28年)に照明機器を常設したため、以降はナイターを通年開催しています。
久留米競輪のバンクの特徴について解説
2013年(平成25年)に改修されたバンクは400m。直線は50.7m(400バンクで一番長いのは武雄の64.4m、一番短いのは佐世保の40.2m)、カントは31°28′37″(400バンクで最もカントがキツいのは松阪の34°25′29″、緩いのは西武園の29°26′54″)で、いずれも平均的なものです。
小高い公園の山の中にあるからか、風や天候の影響もほとんど受けません。クセのない、走りやすいバンク。唯一、特徴を挙げるとすれば、3コーナーで膨らむ感じがあるので、早めにかましたり、捲ったりする選手のほうがやや有利です。
逃げ、捲りが比較的決まりやすく、2着もマークが多いので番手が千切れる可能性は低め。強力な機動型が逃げるラインのそのまんま決着が多い場と言えます。
久留米競輪の記念競輪は?
記念競輪(G3)は『中野カップレース』。伝説の競輪選手・中野浩一氏が久留米競輪場をホームバンクにしていたということにちなんで名付けられました。
ちなみに場内の『正源氏プラザ』という施設内にある、久留米競輪場の歴史を展示した『サイクルギャラリー』には中野浩一氏が使用していた自転車も飾られています。
第27回 中野カップレースに出場する注目選手は?
例年、6月に開催される記念競輪が今年、2021年(令和3年)も6月末に行われます。6月26日(土)から29日(火)の4日間で争われる久留米競輪開設72周年記念G3『第27回 中野カップレース』。
6月17日(木)から20日(日)で開催されたG1『高松宮記念杯競輪』を終わった直後に駆けつけてくれるS級S班は佐藤慎太郎選手(SS・福島・78期)と清水裕友選手(SS・山口・105期)の2名。平原康多選手(SS・埼玉・87期)は宮杯に次いで欠場となってしまいましたが、代わりに同県の後継者とも言える森田優弥選手(S1・埼玉・113期)が追加で来てくれます。
その他、有力選手としては稲川翔選手(S1・大阪・90期)や九州勢の山田英明選手(S1・佐賀・89期)。近況、絶好調の眞杉匠選手(S2・栃木・113期)に2020年度(令和2年度)の輪界を大いに盛り上げてくれた寺崎浩平選手(S2・福井・117期)も出場します。
久留米をホームとする地元の野田源一選手(S1・福岡・81期)や坂本健太郎選手(S1・福岡・86期)が彼らにどう立ち向かっていくのか、楽しみですね。
なお、最終日の第3Rで『レインボーカップチャレンジファイナル』という単発レースが行われます。チャレンジ(A3)の上位9名が集まって行われるレースで、3着まで入った選手は特別昇級できるのです。
出場するのは藤田周磨選手(A3・埼玉・117期)や長屋秀明選手(A3・岐阜・117期)。九州勢は山川奨太選手(A3・熊本・117期)だけなのですが、血気盛んな若手機動型がやり合う隙を突いて、単騎で捲り勝負なら勝機が見えるかもしれませんね。
マスコットキャラクターの『トッピー』と一緒に、ベテランや若手トップ選手たちの走りを大いに楽しみましょう♪
- ウィンチケット編集部
- WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。
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