競輪の決まり手4つを把握してレース予想をしよう!
競輪が好きな人であれば誰もが知っている言葉に、「決まり手」という言葉があります。
この言葉は、各種公営競技(競輪・競馬など)だけでなく、相撲でも使われる言葉ですが、まだ車券を買いはじめたばかりの初心者であれば、「どういう意味?」と思う人も少なくないでしょう。
そして競輪には、競輪独自の「決まり手」があり、それぞれに意味があります。
本記事では、競輪の決まり手の種類やそれぞれの意味、予想にどう活かすかを詳しく解説していきます。
決まり手の種類や意味を理解して、今後の競輪予想に役立てみてください。
競輪の決まり手とは?
競輪での決まり手とは、選手がどのような戦略で1着・2着に入ったのかを意味する言葉です。
この決まり手は、全部で4種類あります。
- 逃げ
- 捲り
- 差し(追い込み)
- マーク
それぞれの詳細は後述しますが、以下では、この決まり手がどのように記載されているのか説明していきましょう。
競輪の決まり手は予想時に出走表で確認
レースに出走する選手のデータとして出走表に決まり手が記載されています。
出走表に記載されている決まり手は「残り1周からどのように動いたのか」に着目しています。
競輪のレースは、序盤~中盤はライン戦といって、ライン同士で終盤戦に向けて有利なポジションを取るために競います。一方、終盤戦に入ると個人戦となり、各選手がゴールに向けてラストスパートを戦います。
中盤までのライン戦は勝敗に影響しないため、自然と残り1周の終盤戦が注目されるわけです。
競輪は、基本的に空気抵抗や風圧が勝負をわけます。
そのため、どこで勝負を仕掛けるかなど、レースごとに勝負のかけ方を考えて選手もレースに臨んでいます。
基本的には、直近4カ月のレースで2着以内に入ったレースでの決まり手が記載されています。
また、決まり手の傾向は競輪場(バンク)によって違いがあります。競輪場では、それぞれの特徴や決まり手の傾向などのデータを公開しているので、出走表にある各選手の決まり手とバンクごとに異なる決まり手の傾向を見て、着順を予想しています。
そのため、選手がどのような戦法でレースを展開しているのかを知るための材料、レースの着順を予想するための材料として、決まり手は重要な要素となります。
競輪の決まり手は全部で4種類ある!
競輪の決まり手の種類は以下の4種類です。
- 逃げ
- 捲り
- 差し(追い込み)
- マーク
ここでは、競輪の戦法を踏まえてそれぞれの概要や、決まりての特徴やメリット・デメリットを解説していきます。
決まり手① 逃げ
競輪の「逃げ」とは、レースのラスト1周時点で先頭に立っている選手が、そのまま後続の選手に追いつかれることなく1着に入る決まり手のことです。
その名前のとおり、先頭を走ってそのまま逃げ切る戦術になります。
逃げは体力勝負の側面があるので、比較的体力に自信のある若手選手が使うことの多い決まり手です。
また、後続の選手がけん制しあってペースが上がってこない場合は、比較的大差をつけて勝ちやすい戦術でもあります。
逃げのメリットとしてあげられるのは、なんといっても走路妨害をされにくい点でしょう。
当たり前のことですが、先頭を走っている間は自分より前を走っている選手はいません。
なので、後ろから迫ってくる自転車と接触するなどのアクシデントでもない限り、落車などのリスクを最小限に抑えやすい戦法です。
一方、デメリットは風の抵抗・風圧を受けやすい点です。競輪は風の抵抗・風圧を受けやすい特性があります。
そのため、先頭のまま逃げ切ろうと思ったら、最後まで抵抗に負けず走りきれるだけの脚力が求められる戦術です。
そして競輪のレースでは、後続の選手で脚力を温存してきた選手が、タイミングを見て最後の直線で先頭争いを仕掛けることがあります。
そのため、「逃げ」は最後の直線が長いバンク(競走路)では使いにくい戦術です。
単純な戦法と見られがちですが、2番手以下の選手が後続をけん制するかどうか、仕掛けてくるタイミングなどの駆け引きが重要となり、意外と奥の深い決まり手といえます。
決まり手② 捲り
「まくり」と読み、残り1週となった時点で中位~後方あたりを走るラインにいる先行選手が、残り半周あたりから一気に上がり、前を走っている選手を抜いて1着~2着に入ったときの決まり手のことをいいます。
出走表の決まり手では「捲」と表記され、脚質は「逃」もしくは「両」と書かれている選手によく見られる戦法です。
捲りは、残り約半周から4コーナーまでの間に、外側から回って先頭に立ち、1着を狙います。
そのため、トップスピードの速度はもちろんのこと、それを維持できるかどうかに加え、ダッシュ力の高さが求められます。
ただ、脚力が温存できるため、「逃げ」と比べると1着を狙いやすいでしょう。
捲りのメリットは、残り半周から勝負を仕掛けて決める戦術なので、逃げと比較して途中までは脚を温存できる点です。
そのため、体力的には少し楽になります。
一方、デメリットとしては、残り半周までは中位~後方を走っていることが多いため、比較的走路妨害を受けやすい点です。
また、仕掛けるタイミングを誤ってしまうと、先行した選手に逃げ切りを許す結果になりやすいのも、この戦法のデメリットといえます。
そして捲りは、残り半周あたりから一気に仕掛けて、大外から一気に複数選手を抜き去ります。
よく、レース中継の実況アナウンサーが「大外から〇〇が来た」と言っているのがそれです。
やはり捲りは、走路妨害を受けやすいので、仕掛けるタイミングが大切といえます。
決まり手③ 差し(追い込み)
差しとは、ラインの2番手・3番手を走る選手が、最後の直線で自分のラインの先頭を抜いて1着~2着に入ったときの決まり手です。
もしくは、先頭を走る選手の後ろについた選手が、4コーナー通過後の最後の直線で一気に抜き去る決まり手も同じように「差し」といいます。
出走表には「差」と表記され、「追」もしくは「両」の脚質を持つ選手に多い決まり手です。
基本的には、自分のラインにいる先行選手が先頭を走っているとき、その選手を最後の直線で抜く決まり手です。
そのため、自分のラインにいる選手が先頭であることが1着になるための基本的な条件となります。
先行選手にある程度実力がないと決まることのない決まり手ともいえます。
差しのメリットは、なんといっても最後の最後まで脚力を温存できる点です。
先頭の選手を風よけにして走るので、風の影響を受けにくく、比較的体力的に不安のあるベテランが使うことが多くなります。
ただし、この戦術は先頭選手をマークする戦術なので、その選手が抜かれてしまうと自分も負ける確率が高まる点がデメリットです。
決まり手④ マーク
マークとは、ラインの2番手・3番手にいる選手が、選考する選手を抜けずに2着に終わったときの決まり手です。
最後の直線で追い抜いて1着でゴールできれば「差し」ですが、それが決まらなかったら「マーク」となります。
出走表には「マ」と記載され、「追」もしくは「両」の脚質を持っている選手に多い決まり手です。
マークは、唯一1着にはつかない決まり手です。
あくまでも、マークしていた選手に対する追い込みもしくは自分のラインにいる先行選手を追い抜けなかったときの決まり手なので、4つあるなかでは唯一結果としてつく決まり手といえます。
マークがつくレース展開は、先行選手をマークしていた選手を最後の直線で追い込んで抜こうとしたにもかかわらず、最終的には抜けなかったときとなります。
競輪を楽しむなら、まずは決まり手を理解しよう!
決まり手を理解することで、着順の予想をするための重要な要素になるだけでなく、レースをより一層楽しく見られるようになります。
また、見ているうちに自分にとって盛り上がる決まり手やそれを得意とする選手が見えてくることもあるでしょう。
そういうことを知ることで、着順の予想だけでなく、競輪そのものを見る面白みがわかってくるかもしれません。
参考.1 : WINTICKET 競輪勉強シリーズ
参考.2 : WINTICKET 初心者向けコンテンツシリーズ
- ウィンチケット編集部
- WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。
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