競輪祭はKEIRINグランプリへの架け橋 選抜方法や歴代優勝者も紹介
競輪祭は、2009年以降毎年11月下旬に北九州市の小倉競輪場でおこなわれているG1レースになります。
各競輪場の開設記念レースを除くG3以上のレースがすべて各競輪場を持ち回りで開催されているなか、当大会のみ固定開催です。これは、世界初の競輪レースが当大会の会場となる小倉競輪場で創設されたことにちなんでいます。
また、この大会はガールズグランプリおよび男子「KEIRINグランプリ」の最後の出場者が決まる大会としても知られている大会です。
本記事では、そんな競輪祭の概要や魅力についてあますことなく紹介していきます。
競輪祭とは?
朝日新聞社杯競輪祭は、2002年(第43回)~2009年(第50回)を除いて、毎年11月下旬ごろに開催されているG1レースです。
その魅力は、ほかのレースとは違い予選によるトーナメントではなく、合計ポイントによる勝ち上がりトーナメントを採用している点にあります。
そのため、通常のレースとは異なり合計6日間の長丁場を戦うことになり、選手にはレースに耐えられるだけのスタミナと脚力が求められるでしょう。
当レースは2018年の第60回より、G1レースでは初となるナイター競走を実施しています。また、女子のガールズグランプリ出場者を決める「ガールズグランプリトライアルレース」がおこなわれるほか、男子では「KEIRINグランプリ」の最後の出場者が決まるレースとしても知られています。
実際に出走する選手はもちろんのこと、競輪ファンにとっても気合いの入るレースです。
以下では、男子の競輪祭および女子のガールズグランプリトライアルレース出場選手の選抜方法、賞金、レース概要について紹介していきます。
競輪祭の出場選手はどうやって決まるの?
競輪祭では、男子の「KEIRINグランプリ」最後の出場者を決めるG1レースであるとともに、女子は同じく男子の「KEIRINグランプリシリーズ」でおこなわれる「ガールズグランプリ」の出場者を決める「ガールズグランプリトライアルレース」がおこなわれる大会です。
ここでは、男子「朝日新聞社杯競輪祭」の出場選手選抜方法、および女子「ガールズグランプリトライアルレース」の出場選手選抜方法について紹介していきます。
男子・朝日新聞社杯競輪祭
男子「朝日新聞社杯競輪祭」の詳細は次のとおりです。
・選考期間
平均競走得点:当年3月~8月の6カ月間
4日制G3成績:前年9月~当年8月の12カ月間
・最低出走回数
24出走(2020年度はあっせん状況を考慮して変更予定)
・選考
毎年9月
・開催月
毎年11月下旬
・選考選手数
選手108名+補欠8名の計116名
また、開催時にS級に在籍している選手のうち、以下の基準により選考委員会において選抜します。
- S級S班在籍者
- 開催時にS級1班に在籍している選手で、過去3回以上優勝した者
- 東京オリンピック自転車競技トラック種目代表選手
- サマーナイトフェスティバル決勝競走出走者
- 開催時にS級1班に在籍している選手のうち、選手選考対象期間において2カ月以上JCFトラック種目強化指定(A)に所属した者(※1)
- 4日制G3レース決勝において1~3着の回数上位者(※2)
- 1~6以外に残余がある場合、平均競走得点上位者から選抜
※1 2019年末時点では、6選手が該当
※5 同数の場合は、平均競走得点上位者を上位とする。
なお、補欠選手の選考については以下のとおりです。
- 正選手を除き、4日制G3レース決勝において1~3着の回数上位者から順次選抜
- 残余がある場合は、平均競走得点上位者から順次選抜
女子・ガールズグランプリトライアルレース
女子「ガールズグランプリトライアルレース」の詳細は次のとおりです。
・選考期間
当年1月~8月の8カ月間
・最低出走回数
32出走
・選考
毎年9月
・開催月
毎年11月下旬
・選考選手数
グループA(トパーズ):14名
グループB(アメジスト):14名
補欠:1名
合計:29名
選抜方法については以下の基準から選抜されます。
- 東京オリンピック自転車競技トラック種目代表選手
- 選手選考対象期間において2カ月以上JCFトラック種目強化指定(A)に所属した者
- 平均競走得点上位者14名(※1)
- 1~3を含む選考用賞金獲得額上位者合計28名
※1 選考期間の途中でデビューした選手は、以下2つの基準を満たした選手が選考対象です。
- 当該選手の選考期間内における優勝回数が2回以上
- 平均競走得点上位7位以内である者
競輪祭の賞金
男子・競輪祭およびガールズケイリンのガールズグランプリトライアルレースについて、決勝の賞金金額を着順に紹介していきます。
競輪祭・決勝
- 1着 3,360万円(副賞を含むと、3,450万円)
- 2着 1,710万円(副賞を含むと、1,750万円)
- 3着 1,120万円(副賞を含むと、1,144万円)
- 4着 815万円
- 5着 672万円
- 6着 560万円
- 7着 448万円
- 8着 410万円
- 9着 397万円
ガールズグランプリトライアルレース・決勝
- 1着 100万円
- 2着 50万円
- 3着 30万円
- 4着 17.5万円
- 5着 16万円
- 6着 15.1万円
- 7着 14.2万円
※トパーズ・アメジスト共通
競輪祭のレース概要
朝日新聞社杯競輪祭は予選~決勝まで6日間、同時におこなわれるガールズグランプリトライアルレースは予選~決勝まで3日間おこなわれます。
以下では初日から最終日まで6日間のタイムテーブルを紹介します。
初日
- 第1レース~第8レース:一次予選(第1走)(9人を8組にわけて実施)
- 第9レース~第12レース:ガールズ予選(第1走)(7人を4組にわけて実施)
2日目
- 第1レース~第4レース:一次予選(第1走)(9人を4組にわけて実施)
- 第5レース~第8レース:一次予選(第2走)(9人を4組にわけて実施)
- 第9レース~第12レース:ガールズ予選(第2走)(7人を4組にわけて実施)
3日目
- 第1レース~第8レース:一次予選(第2走)(9人を8組にわけて実施)
- 第9レース・第10レース:ガールズ選抜
- 第11レース・第12レース:ガールズ決勝(トパーズ・アメジスト)
4日目
- 第1レース~第4レース:選抜
- 第5レース~第7レース:二次予選B
- 第8レース~第10レース:二次予選A
- 第11レース:ダイヤモンドレース
- 第12レース:選抜
5日目
- 第1レース・第2レース:一般
- 第3レース~第5レース:選抜
- 第6レース~第8レース:特選
- 第9レース~第11レース:準決勝
- 第12レース:一般
最終日
- 第1レース~第3レース:一般
- 第4レース~第6レース:選抜
- 第7レース~第9レース:特選
- 第10レース・第11レース:特別優秀
- 第12レース:決勝
競輪祭歴代の優勝者
朝日新聞社杯競輪祭は1951年に第1回が開催され、今年で62回を数える伝統あるレースです。
優勝者には、最後の「KEIRINグランプリ」出場権が付与されるので、出場権を手にしていない選手にとっては気合いの入る大会といえます。
また、2018年からは「オッズパーク杯ガールズグランプリ」の予選もおこなわれるようになったので、男女ともトップ選手を見ることができるでしょう。
伝統あるレースのひとつでもある競輪祭では、これまでにどのようなレースがおこなわれきたのでしょうか。
ここでは、2015年(第57回)~2019年(第61回)まで直近5回の優勝者を紹介するとともに、レースの振り返りをしていきます。
◆ 2019年(第61回)
【レース結果】
【レース概要】
赤坂から一気に踏み込んだ吉田拓矢が先頭に立ち、動きはじめたレース。
最後は、後ろから捲った清水裕友と松浦悠士が追い込み、一騎打ちを制した松浦が初のG1制覇を果たしました。
清水は作戦どおりの組み立てをしたものの、あと一歩届かず2位。諸橋愛は松浦を3番手から追いかけたものの、力尽きて3位でした。
◆2018年(第60回)
【レース結果】
【レース概要】
赤坂で上昇してきた太田竜馬を突っ張った脇本雄太が、先行逃げ切りを狙ったレース。
2コーナーからの平原の仕掛けはなんとか振り切ったものの、浅井康太が内を突くと対応できず、浅井はそのまま1着でゴールしました。
脇本は最後に差し込まれたものの、そのまま2位をキープ。3コーナーから追い込んだ清水裕友が3着でした。
◆2017年(第59回)
【レース結果】
【レース概要】
赤坂で山中秀将が前に出るも、誰もついていかずそのまま逃げ切るかと思われたレース。後ろから木暮宏由が先捲りを仕掛けるも、新田祐大がその上を行き新田が1着でゴールしました。
2着は新田を目がけて仕掛けていった北津留翼。3着は木暮の捲りに乗った平原康多でした。
◆2016年(第58回)
【レース結果】
【レース概要】
スタートと同時に新田祐大が飛び出してリードを奪います。
しかし、残り一周から新山響平と深谷知広が踏み合いをし、深谷が先頭に立ちました。2コーナーから稲垣裕之が捲り上げ、後方から追いかけていた平原康多、武田豊樹とのマッチレースとなる。
最終的には平原が一気に踏み込んで1着。武田が2着、稲垣は3着でした。
◆2015年(第57回)
【レース結果】
【レース概要】
村上義弘と竹内雄作がスパート合戦をするも、村上義弘が制して主導権を握ります。平原康多は中団からトップを狙うも、いったんは外に浮いてしまいます。
しかし、2コーナーから強引に捲り、じわじわと追いつくも、武田豊樹との一騎打ちで破れ、最後はうまくかわした武田の優勝でした。2着は最後まで競り合った平原、3着は池田憲昭でした。
今後の競輪祭はいつ開催されるの?
今後開催される朝日新聞社杯競輪祭の開催回・開催日・会場の情報は、以下のとおりです。
・第62回(第62回朝日新聞社杯競輪祭)
開催日:2020年11月18日~23日
・第63回(第63回朝日新聞社杯競輪祭)
開催日:2021年11月18日~23日
※両大会とも、会場は小倉競輪場(福岡県北九州市)の予定。
WINTICKET(ウィンチケット)ではライブ映像でレースを観戦できます。
レースはパソコンだけでなくスマホでも視聴できる上、インターネット投票もできるので、レースを見逃さないためにもWINTICKETで見ることがおすすめです。
WINTICKET ライブ実況・中継ページ
KEIRINグランプリへの出場が決まる競輪祭!
朝日新聞社杯競輪祭は、「KEIRINグランプリ」最後の出場権をかけたレースです。
とくに賞金ランキングや獲得点数でギリギリの選手にとっては、このレースで勝つことが絶対条件になリます。
また、2018年からはガールズグランプリトライアルレースもおこなわれるようになったので、男女のトップ選手が同時に見られるまたとない機会となっています。
競輪を盛り上げるためにも、競輪祭を積極的に見て、車券を購入してみるのはいかがでしょうか。
参考.1 : WINTICKET 競輪勉強シリーズ
参考.2 : WINTICKET 初心者向けコンテンツシリーズ
- ウィンチケット編集部
- WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。
記事をシェアしよう