競輪の最大の魅力でもあるラインの特徴と4つの基本ラインを徹底解説
競輪初心者がまずつまずいてしまうのが、ラインではないでしょうか。
競輪予想を楽しむ上でラインは欠かせませんが、競輪初心者がラインを考えて予想するのは簡単なことではありません。
本記事では、競輪のラインとはなにか、ラインの役割、決まり方、基本になる4つのラインについて初心者でもわかりやすいように解説します。
競輪のラインとは
競輪とラインは切っても切り離せない大切な存在です。基本的に競輪は、選手個人が1位を目指してレースをおこないますが、レースの中盤までは理由があってラインと呼ばれる三人一組などのチームを組んで競走します。
その理由は、選手個人の脚質と走行する位置が関係しています。
競輪は最高時速が70kmにもなる競技のため、レースで先頭を走り続けていると風の抵抗を受け続けスタミナを大きく消耗してしまい、レース後半で不利な展開になってしまいます。
スタミナのある選手はラインの先頭を走り、瞬発力を必要とするような脚質の選手はラインの2番目などを走行します。
参考:なぜ競輪の速度はあれほど速いのか?ほかの競技との比較や速さの秘密に迫る!
さらにラインには、ほかのラインに有利なレース展開をおこなわせないために、妨害しながら自分が組んでいるラインを有利なポジションに位置づける役割もあります。
もし、選手がレース中にラインを組まずに個人で戦っていた場合、レースの勝敗は選手の実力だけになってしまうでしょう。
しかし、ラインを組むことによって選手の実力だけではなく、戦略もレースの勝敗を左右させ、手に汗握る白熱したレースになります。
競輪予想の醍醐味でもあるラインの魅力
競輪予想をするうえで、ラインを読むことは非常に大切です。もちろん、選手個人の実力も予想には欠かせない要素のひとつですが、競輪予想をする際にラインを加味しなければ的中率のアップも望めないでしょう。
また、ラインが組まれることによって繰り広げられる戦いが競輪観戦の醍醐味です。ほかのラインが来ないようにブロックしたり、わざと車間を空けたりする戦術が繰り広げられています。
さらに、選手個人の実力だけで考えたら勝てなそうな選手であっても、ラインを組んで有効な戦術を使うことによって、勝利へと導かれる展開があるのも競輪の魅力です。
競輪のラインはどんな役割がある?
競輪のラインは適当に隊列を組んでいるのではなく、それぞれの選手が得意な役割を担って有利なレース展開を進められるように戦っています。
ライン内のポジションはそれぞれ呼び方が決まっており、1番目を走る選手を「自力選手」、2番目を走る選手を「番手選手」、3番目を走る選手を「三番手選手」と呼びます。
ポジションは、選手の脚質によって決まることが多くなっています。
先頭を走る自力選手は風の抵抗を一番に受けてしまうため、風の抵抗をもろともしない脚力や、常に先頭を走り続けるスタミナを兼ね備える先行タイプの選手が担当します。先頭を走っているからといって、必ずしもそのまま1着になるとは限りませんが、車券に絡みやすいのが特徴です。
また番手選手は、自力選手が風の抵抗を防いでくれているため、レース中盤までスタミナを温存させて、最後にまくりを仕掛けるタイプの選手が担当します。
この役割を知ると、番手選手はスタミナを温存させながら走れるため、有利な印象を受けがちですが、後方を走る選手はほかのラインに抜かされないようにブロックするテクニックが必要となります。
そして、3番目を走る三番手選手はほかのラインが自分のラインの内側から攻めてこないようにブロックする役割を担っています。しかし、3番目を走っているだけあって車券には絡みづらい傾向があります。それでもラインのバランスがよく、強い場合はラインのままゴールすることもあり、万車券が飛び出すこともあります。
このように、ライン内ではそれぞれの選手が得意分野を活かし、レース中盤までラインそのものが有利なポジションに位置づけられるように協力しあっています。
競輪のラインはどうやって決まるの?
競輪のラインは予想や観戦に必要不可欠な存在ですが、「誰と誰が組むのかわからない」と悩む初心者も多いかと思います。
そこで、以下では競輪のラインはどのようにして組まれるのか、また組まれるラインを把握する方法を紹介します。
競輪は同じ地区で組むことが多い
ラインはお互いが協力しあえるチームでなければ意味はありません。お互いの戦略や脚質を熟知した同士が組むラインの方が強い傾向があります。
そのため、お互いの特徴を理解しあえている同じ地区や競輪学校時代の同期などでラインが組まれることが多いです。
競輪選手が所属する地区は以下の8カ所があり、地区ごとにラインが組まれることがほとんどです。
- 北日本(北海道・青森・秋田・岩手・山形・宮城・福島)
- 関東(東京・埼玉・群馬・栃木・茨城・山梨・長野・新潟)
- 中部(愛知・岐阜・三重・富山・石川)
- 南関東(神奈川・千葉・静岡)
- 近畿(京都・大阪・兵庫・奈良・滋賀・和歌山・福井)
- 中国(広島・山口・岡山・島根・鳥取)
- 四国(愛媛・香川・徳島・高知)
- 九州(福岡・熊本・長崎・佐賀・大分・鹿児島・宮崎・沖縄)
誰と誰がラインを組むのかがわからない際には、同じ地区同士で組まれる可能性が高いことを覚えておきましょう。
競輪の出走表に記載される登録地でラインがわかる
ラインは登録地区で組まれることが多いとわかっても、そもそも選手の登録地がわからなければ予想もできません。
そこで、活用するのが前日に公開される出走表です。出走表には登録地が記載されているため、ある程度のライン予想もできます。
また、出走表に書かれている選手のコメントもラインを把握するうえで役立ちます。
コメントには、「○○ラインで」「○○君マークで」などのコメントが記載されているため、組まれるラインのヒントにもなってくるでしょう。
また、まれにレース当日にラインが変わる場合があります。そのため、レース当日にはオッズ画面などに表示されている「並び」を必ず確認するようにしてください。
基本になる4種類のラインを理解する
ラインの組まれ方にはさまざまなものがあり、以下の4種類が基本となります。
- 3分戦
- 4分戦
- 2分戦
- 先行1車
これらの4種類のラインにはそれぞれ特徴があり、予想の考え方も大きく変わってきます。
基本ライン① 3分戦とは
3分戦とは、隊列を組んで走るラインが3つに分かれて戦うレースのことを指します。通常の競輪の9車立てあれば、この3分戦が一番スタンダードな組み方です。
たとえば、9車立てのレースでは、1番車-2番車-3番車のライン、4番車-5番車-6番車のライン、7番車-8番車-9番車のラインのように3つに分かれます。
また、7車立てのミッドナイト競輪は、レースでも3分戦になることが多いです。
7車立ての場合は、1番車-2番車-3番車のライン、4番車-5番車のライン、6番車-7番車のライン、のような組み合わせになります。
そして3分戦の場合、レースが混戦になりづらいため、スジどおりの決着の確率が高くなっています。
そのため、3分戦で予想する場合は、ラインの強さやバランスを考慮してレースを優位に進めていけるラインを見つけるのがコツとなるでしょう。
基本ライン② 4分戦とは
4分戦とは、隊列を組んで走るラインが4つに分かれて戦うレースのことを差します。また、3分戦と比較してもラインの数が増えるため「細切れ戦」とも呼ばれています。
9車立てのレースでは、1番車-2番車-3番車のライン、4番車-5番車のライン、6番車-7番車のライン、8番車-9番車のラインのように4つに分かれます。
また、7車立てのレースでは1番車-2番車のライン、3番車-4番車のライン、5番車-6番車のライン、9番車のラインのような組み合わせになります。
しかし、この4分戦は9車立てのレースでは、まれに見かけますが、7車立てのミッドナイト競輪ではほとんど見かけません。
ラインの数が増えて、レース展開を読むことが難しいので、予想が難しいレースともいわれており、ライン自体の強さがレースの勝敗を左右するのではなく、選手の実力がレースの勝敗を左右することが多くあります。
そのため4分戦の場合、ラインの強さも重要になりますが、競走得点から選手個人の強さの把握が的中への近道となります。
基本ライン③ 2分戦とは
2分戦とは、隊列を組んで走るラインが2つに分かれて戦うレースのことを差します。ラインの数が非常に少なく、隊列が長くなるため、ラインで決着しやすいのが特徴でしょう。
9車立てのレースの場合、2分戦になることは珍しく、1番車-2番車-3番車-4番車-5番車のライン、6番車-7番車-8番車-9番車のような2つのラインに分かれます。
また7車立てのレースでは、1番車-2番車-3番車のライン、4番車-5番車-6番車のライン、7番車のラインのような組み合わせになります。
基本的にライン内の実力上位の選手が勝つことが多く、予想もほかのライン戦と比較しても簡単な部類に入るでしょう。
しかし簡単がゆえに、オッズが低くなりがちなので買い目点数が増えすぎてトリガミ(予想はあたっているのに損すること)にならないように注意が必要です。
基本ライン④ 先行1車とは
先行1車とは、「逃げ」の脚質の選手が一人しかいない場合のレースとなります。9車立て、7車立てであっても先頭を走る一人の選手以外は、長い隊列を組んで走ります。
そのため予想する際には、ラインの強さなどを考えるのではなく、競走得点などから選手個人の強さをしっかりと把握するのが重要となります。
また、先行1車の場合は「逃げ」の先行選手が勝利する確率が高いため、積極的に先行選手を狙っていってもよいかもしれません。
最後の直線は全員で勝負!
競輪ではお互いが有利なレース展開を運べるようにラインを組んで走行します。しかし、レース中盤からレース終盤にかけてはラインから離れ、一人ひとりが己の鍛え抜かれた脚力を使いゴールを目指して全力で勝負します。
とくに、最終周の直線が競輪の醍醐味です。
最後の直線になると、選手が全力で自転車を漕ぎ、時速70km近いスピードで走るため、今までのレース展開が一瞬で変わります。レース中盤まで、よいレース展開を運べなかった選手でも最後の最後にレースで勝利する展開が生まれることがあるのです。
そして、「逃げ」「捲り」「差し」「マーク」など、どの決まり手で勝敗が決まるのかも見逃せません。
そのため、レース序盤から最終周の直線まで目が離せないのが競輪の魅力です。
ラインを覚えて競輪をもっと楽しもう!
競輪は選手個人が1位を目指して戦う競技ですが、実はレース中盤まではお互いが有利なレース展開を進められるように「ライン」と呼ばれる隊列を組んで走行します。
そして、ライン内では「自力選手」「番手選手」「三番手選手」など、それぞれが役割を担って戦います。
そのため、お互いが信頼できる関係であったり、お互いの特徴を理解しあえている選手同士で組まれたラインがバランスもよく、強いラインといえるでしょう。
ラインは、競輪予想でもっとも大切な要素となりますが、競輪観戦をするうえでも知識をしっかりと付けておくと、さらに競輪を楽しめます。
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参考.1 : WINTICKET 競輪勉強シリーズ
参考.2 : WINTICKET 初心者向けコンテンツシリーズ
- ウィンチケット編集部
- WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。
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