ヤンググランプリ2021出場 坂井洋選手インタビュー
ヤンググランプリ2021に出場する坂井洋選手。出場にかける思いや意気込みを伺いました。
── 今年もヤンググランプリ出場、おめでとうございます。まずは、現在の心境からお聞かせください。
昨年はいい結果が出せなかったので、今年はもっとしっかり走りたいですね。そして、昨年よりもいい着順を……1着を目指して頑張りたいと思っています。
── 昨年のヤンググランプリですが、小林泰正選手とラインを組んで5着という結果でした。坂井選手と同じ関東地区からは黒沢征治選手と森田優弥選手も出場されていたので、こちらとも連係する手もあったと思うのですが、別線になったのには何か理由があったのでしょうか?
まず、僕が「自力でやりたい」というのが大きな理由としてあって。でも、黒沢さんも自力でやりたいとのことだったんですよ。ならば、埼玉同士である森田と黒沢さんがラインを組んで、僕たちは別線でやったほうがいいかなと。それで、別々になりましたね。
── なるほど、そういった経緯だったんですね。さて、今年もヤンググランプリへの出場が決まったということで、周りの方からの激励などはありましたか?
いや、それほど……というか、ほとんどないです(笑)。
── 坂井選手は昨年も出場されているので、2年連続でのヤンググランプリとなります。気持ちの面など、昨年とは違っている部分はありますか?
僕の場合は、昨年とそれほど変わらないですね。2回目の出場についても、とくに意識はしていないので。
── ではここで、今年1年を振り返っていただきましょう。まだ少し残っていますが、2021年は坂井選手にとって、ここまでどんな年だったんでしょうか?
う~ん、成績はずっとイマイチで、なかなかいい結果を残せずにいたんですよ。でも、最後の最後で11月の四日市記念(GIII)を優勝できて、本当によかった。ヤンググランプリに向けても、これで弾みがつきます。
── その四日市記念ですが、出場前にバンジージャンプに挑まれたというインタビュー記事を拝見しました。もしかすると好結果が出た背景には、バンジージャンプによるメンタル強化の効果があったのかもしれないですね(笑)。
その効果があったかどうかはわかりませんが、四日市記念の前に茨城県の竜神大吊橋でバンジージャンプにトライしたのは、事実ですね(笑)。
── あとは、四日市記念から「5本指ソックス」を履かれるようになったという記事も読みました。しかもそれから、レースではずっと愛用されているとか。ということは、ヤンググランプリも5本指ソックスで出場を?
ハイ、5本指ソックスで走るつもりです。ゲン担ぎというわけではないんですが、四日市記念の前にやったことや変えたところって、バンジージャンプと5本指ソックスくらいしかないんですよ。
── ちょっと話が脱線しますが、岐阜県には「岐阜バンジー」という、215mの高さを誇るバンジージャンプがあるらしいですよ。現在のところ日本一の高さだとか。
あ、それ知っていますよ!
── ヤンググランプリで「若手の日本一」を目指す坂井選手ならば、今度はコレに挑まれるのも、いいゲン担ぎになるかもしれませんよ(笑)。
いいですね、時間があれば行っちゃおうかな(笑)。
── そしてこちらも余談になりますが、坂井選手が四日市記念で優勝された直後、師匠の星野辰也選手が喜びの声をSNSで発信されていたんですよ。本当にすごい、本当にうれしいって。いい師匠ですね!
ホントですか!?
── ハイ。それに対して、坂井選手の後輩選手や、あとは四日市競輪の関係者さんなどからもメッセージが寄せられていて。
ぜんぜん知らなかったので、あとでちょっとチェックしてみます!
── ちなみに師匠に、優勝の報告はされたんでしょうか?
練習で競輪場に行ったときに会ったので、その際に報告しました!
── あとは、優勝後にカメラマンの島尻譲さんが撮った写真も見たんですが、坂井選手が何度もポーズを決めていて。そういえば、優勝者インタビューの最後でも決めポーズをされていましたよね。
いや、あれは「何かいいポーズをちょうだい!」って言われたので、無理やり絞り出したんですよ(笑)。
── いやでも、四日市記念で後方から一気に捲った脚には正直シビれました。強くてカッコイイなんて、最高じゃないですか。
ありがとうございます……でもホント、僕なんてぜんぜんですよ。四日市記念にしても、展開や運に恵まれた結果「たまたま」獲れただけですから。
── では、ヤンググランプリの話に戻らせていただいて……年末の大一番へ向けての調整は、もう始められているんでしょうか?
いや、まだぜんぜん始めていないです。というか、ヤンググランプリへ向けての特別な練習や調整というのは、そんなにやらないと思います。普段通りの練習をしっかりやって、レースに向かおうかと。
── 12月はヤンググランプリの前に、取手や京王閣で走る予定となっていますが、そこも予定を変えずに出場されると。
そうですね。でも、怪我や落車には気をつけて走るつもりです。出場スケジュールがけっこう詰まっているので、その合間でうまく時間をとって、しっかり練習できるようにしたいと思います。
── レースが続く厳しいスケジュールだからこそ、その合間でどれだけ練習を積めるかが重要になってくるということですね。
そうです。レースが始まってしまうと、ウエイトトレーニングなどはできなくなりますからね。それに、時間が足りずに練習不足になってしまう場合もあります。いくらレースで忙しくても、そうならないように常にやっていかないとダメですね。
── では次に、ヤンググランプリに出場されるライバルたちについて。坂井選手と同じ関東から、今年は佐々木悠葵選手が出場します。ヤンググランプリについて、佐々木選手と何か相談をされたりしているのでしょうか?
おそらく出場してくるだろうと思っていましたが、本人とはいまのところ、とくに何も話していません。
── でも、基本的にはラインを組まれますよね?
いや、それはどうなるかわからないですよ。昨年もそうでしたが、僕はやはり前でやりたい気持ちが強い。誰かの番手を回るのではなく、自分の力で優勝を勝ち取りたいというか。ですから、彼が番手でもいいのであればラインを組みますが、自力でやりたいというのであれば、お互い単騎でやることになると思います。
── 若手だけが走るヤンググランプリは、自力で勝負したい選手がおのずと多くなりますから、そのあたりが難しいところですよね。
同じ栃木の後輩が出場してくるような場合ならば、また話が変わってくるのかもしれませんが……やっぱり今年はまだ、自力で勝負したいですね。
── ヤンググランプリの場合、ほかの出場選手はすべてライバルだと思いますが、坂井選手がとくに意識されている選手がいるならば教えてください。
う~ん……そういった存在はいないですね。みんな強いし、僕は選考基準ギリギリで出場する選手ですから(笑)。
── 大学生時代から切磋琢磨してきた関係で、しかも選手養成所の同期でもある小原佑太選手なんかは、けっこう意識されている部分があるかなと思ったんですが……。
佑太とは普段から仲が良くて……でも、そういった感じではないですね。誰が勝ってもおかしくないメンバーで、出場選手はみんな強いというのが、僕のイメージです。
── なるほど。ほかの選手がどうこうではなく、大事なのは「自分自身との勝負」ということですね。
ハイ、そうだと思います。
── ちなみに、昨年のヤンググランプリは南関東の松井宏佑選手が優勝して、その勢いに乗ったかのように、グランプリでも南関東の和田健太郎選手が優勝しています。そして今年のグランプリには、関東から平原康多選手、宿口陽一選手、吉田拓矢選手が出場。先輩たちも、坂井選手に大きな期待を寄せているのではないでしょうか。
そういうことなら……ヤンググランプリ、関東で決めたいですね。それでいい流れを呼び込んで、グランプリでも関東から優勝者が出て。そういったいい流れを作れるように、自分も頑張りたいです。
── ファンの皆さんには、坂井選手の「どこ」に注目してほしいですか?
僕の持ち味は、トップスピードの速さや、一気にそこまで乗せられる時間の短さだと思います。それをうまく引き出せるように、自分らしいレースを見せたいですね。
── では最後に、ファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
今年はずっと成績がイマイチで、皆さんの車券にもぜんぜん貢献できなかったんですが……ヤンググランプリではしっかりと自分の持ち味を出して、感動させられるような走りで優勝して、最後を締めくくりたいと思っています。出し惜しみせずに全力で頑張りますので、応援よろしくお願いします!
「KEIRIN GRAND PRIX 2021」公式特設サイトにて出場選手インタビュー公開中
- ウィンチケット編集部
- WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。
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