ヤンググランプリ2021出場 佐々木悠葵選手インタビュー
ヤンググランプリ2021に出場する佐々木悠葵選手。出場にかける思いや意気込みを伺いました。
── ヤンググランプリ出場への出場決定、おめでとうございます! まずは、いまの率直なお気持ちを聞かせてください。
ありがとうございます、うれしいです!
── 115期生の佐々木選手にとっては、これがヤンググランプリを獲るラストチャンスになります。出場が決まった瞬間には、どんなことを思われましたか?
ヤンググランプリって、出場の選考期間が長いじゃないですか。それもあって、正直なところ「やっと決まったんだ」という感じでしたね。
── 出場が決まって、ちょっとホッとした気持ちというか。
そうですね、ハイ。
── ではまず、今年ここまでを振り返っていただきましょう。佐々木選手にとってはおそらく、かなりハードな1年だったのではないでしょうか。
過去形ではなく、現在進行形でそんな感じですね(苦笑)。年明けからしばらくはけっこう調子がよかったんですが、夏に落車して頭を負傷してしまって。そこから現在までは、そのダメージを必死に治しているような状況です。
── 2月に高知FIでS級初優勝を飾って、その後もS級での優勝が4回。素晴らしい勢いでしたが、好事魔多しというか……8月のオールスター競輪(GI)で落車されたんですよね。その時のことは覚えていらっしゃいますか?
いや、まったく覚えていないんですよ。幸いにも退院自体はすぐにできて、レースにも9月末の松戸から復帰したんですが、自転車に「乗れている」感覚がぜんぜん戻ってこなくて。
── それはやはり、頭の怪我だったからでしょうか?
そうだと思いますね。頭の怪我は僕も初めてだったんですが、身体の動かし方に違和感があったり、力がうまく入らなかったりと、感覚的なところがまだ治っていない感じなんですよ。
── そこは、練習やレースのなかで少しずつ感覚を取り戻していくしかないと。
そうなんでしょうね。ですから、復帰後は練習の量を増やして、少しでも早くそれが取り戻せるように努力しています。
── 復帰されてからは優勝こそありませんが、決勝戦まで勝ち上がったシリーズもありました。観ている側からすると、だいぶ以前の状態に戻ってきているのではないか……と感じていたのですが、そのあたりはいかがでしょう?
いや、まだ全然ですよ。自分の感覚的には「2割くらいしか戻っていない」という感じでしかありません。
── まだ2割ですか……それは本当に大変ですね。とはいえ、ヤンググランプリまでにまだ少し時間もありますから、ぜひ年末までに「10割」回復を目指していただきたいところです。
そうですね。やっぱり自転車に乗っていることが、感覚を取り戻すいちばんの近道かなと思いますから。ヤンググランプリまでに少しでも調子を上げられるように、頑張りたいです。
── ヤンググランプリの話から少し脱線しますが、同期の坂井洋選手が四日市記念で優勝して、GIII初勝利を達成されましたよね。あのレースはご覧になられましたか?
ハイ、観ていました。でも、とくに驚きはなかったですよ。もともと強い人なので、いつ記念を勝ってもおかしくないとは前から思っていましたから。
── では、先を越されて悔しい!といった感情が沸き起こることもなく?
同じ関東の選手でもあるので、悔しいとかはないですね。それにいまの自分は、とにかく怪我を治すことに専念しているというか、それで精一杯なので(笑)。ですから、「当たり前のように勝ったなあ」と思った程度でした。
── とにかく、いまは自分自身のコンディションを整えて、感覚を落車前の状態に戻すのが最優先だということですね。
ハイ、もうそれしか考えていないというか。
── では、ヤンググランプリへ向けて何か特別な練習をするとか、そういったプランも現時点ではない?
そうですね。ヤンググランプリまでに広島と京王閣で走る予定なので、レースや普段の練習のなかでしっかりと体調を整えてから、ヤンググランプリに臨みたいと思います。
── そういえば、オールスター競輪で落車して負傷された際、乗っていた自転車のほうは無事だったんでしょうか?
そのときに自転車もダメになってしまったので、新しい自転車に替えました。そのせいでしっくりきていない部分も、多少はあるかもしれません。
── そんな状況の佐々木選手にお聞きするのは不躾な話ながら……ヤンググランプリでどのように戦っていこうというイメージのようなものはありますか?具体的な作戦などを考えるには、まだまだ早い時期かもしれませんが。
じつは、誰が出場するかという詳細をまだ知らないんですよ。なので、現時点では考えようがないというか。
── それくらい、治療や回復に専念されているということですね。佐々木選手と同じ関東からは、坂井洋選手が今年もヤンググランプリ出場を決めています。でも、それ自体をご存知ないとなると……坂井選手とヤンググランプリについての話をされているわけがありませんよね(笑)。
ハイ、会ってもいないし話してもいないです(笑)。
── ではラインを組むことになったとして、現在の佐々木選手としては、自分が前でやりたい気持ちのほうが強いですか? それとも、番手を回るのでもかまわないのか、そのあたりについて聞かせてください。
自力での勝負にこだわりはないので、僕は後ろでもまったく問題ないですね。
── それはちょっと意外ですね。普段もラインの先頭を任されることが多いでしょうから、そこに強いこだわりがあるものだと思っていました。ヤンググランプリに出場するのは若い選手ばかりですから、対抗意識もあるでしょうし。
このコンディションだと、こだわりたくても無理です(苦笑)。自分が怪我をしているので、前を走る責任を負えないというか……ラインを組む仲間に迷惑をかけるわけにはいきませんから。
── 佐々木選手のお話を聞けば聞くほど、本当に大丈夫なのかと、なんか心配になってきちゃいますね。
ホントですか。でも、選出されちゃったんで……僕が出たいといって出るわけではないというか(笑)。でも、怪我を治せるようにはしっかり努力しています。
── 落車負傷されるまでの今年の活躍は、本当に素晴らしいものがありましたからね。まだ時間的な余裕はありますから、その間に感覚を戻して、ぜひ頑張っていただきたいと思います。ヤンググランプリ、優勝される自信はありますか!?
現時点では、それほどありません。でも、年末最後の一発勝負なので、しっかりレースに集中して一所懸命に頑張りたいですね。自分らしい走りができるように、できる限りコンディションを整えて、レースに臨みます!
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- ウィンチケット編集部
- WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。
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