競輪コラム

ヤンググランプリ2021出場 寺崎浩平選手インタビュー

ヤンググランプリ2021に出場する寺崎浩平選手。出場にかける思いや意気込みを伺いました。


── ヤンググランプリ出場、おめでとうございます! ではまず、現在の心境からお聞かせください。

ありがとうございます! 出場できるとは思っていたんですが、やっぱり決まるとうれしいですね。先行に対する自信もけっこうついてきたので、今年はしっかり主導権を取るようなレースをしたいと思います。それでどんな結果が出せるか、楽しみですよ。

── 競輪での活躍はもちろんのこと、今年は自転車競技において、世界選手権にも出場されています。寺崎選手にとって、この2021年はどんな年だったでしょうか?

今年の前半はあまりいい結果が残せずにいましたが、後半になってそれがだいぶよくなってきました。とはいえ、1年トータルで考えると、成績的にはちょっともの足りないですね。

── なるほど、寺崎選手としてはここまで、やや不満が残る結果に終わっていると。そういう結果となった背景にあるものを、ご自身ではどう分析されていますか?

足りていないのは、やっぱり「最後の末脚」ですね。積極的に主導権を取って前で粘るレースはできていても、後方から一気に捲るような展開になると詰めが甘いというか。

── では、そこを補うべく、現在は練習などで末脚に磨きをかけていらっしゃると。

ハイ、そうですね。

── 現在はナショナルチームに在籍されて、自転車競技と競輪を両立させている寺崎選手。身体面はもちろん精神面でも、これはかなり大変だと思うのですが。

自転車競技での経験は、競輪でも活かせる。その逆もしかりで、どちらをやる上でも大きなプラスとなります。だから、さほど苦にはならないですね。ただ、扱う自転車がまったくの別モノなので、そこで感覚に差が生じるんですよ。これだけは、まだ慣れないですね。

── では、その差にもっと慣れることができれば「鬼に金棒」ですね!そういえば寺崎選手は、今年の8月にご結婚されました。プライベートも充実されていると思いますが、ご結婚による気持ちの面での変化などはあったのでしょうか?

気持ちの面では……そうですね、家族のためにも僕がしっかり稼がなければという、責任感が出てきました。それ以上に大きく変わったのが「食」の部分で、ここをしっかりサポートしてもらっていることが、レースでの好結果にも繋がっているんですよ。結婚による食生活の変化は、すごく大きなプラスになっています。

── アスリートと「食」とは、切っても切れない関係ですからね。つまり、結婚されて上向いた部分が多分にあると。

そうですね、さまざまな面で支えてもらっています。

── お幸せそうで羨ましい(笑)。さて、そろそろヤンググランプリについてお聞きしていこうと思います。選手養成所の同期も多数出場してきますが、そのなかで気になる選手や、意識されている選手はいらっしゃいますか?

いちばん気になるのは……やっぱり町田(町田太我選手)でしょうか。町田がヤンググランプリでどういったレース運びをしてくるかは、気になりますね。

── 寺崎選手も町田選手も、先行にこだわりを持つ選手ですからね。そういう意味でも、やはり負けてはいられない。

そうですね。町田には正直、負けたくないんで。今年の出場メンバーで「誰」が主導権を握って先行するかは、当然ながら勝負を分ける重要なポイントになります。

── 寺崎選手と同じく、ナショナルチームに所属する小原佑太選手も出場してきます。ヤンググランプリについて、小原選手と何か話はされましたか?

ほとんど話してないですね。それこそ「ヤンググランプリで当たるからよろしく」くらいしか話していないような……。

── お互いに意識し合うライバル関係ですから、普段からあまり口をきかないとか、じつは仲が悪いとか……ではないんですよね?

そんなことはないですよ(笑)。単に会話のなかで、ヤンググランプリの話題が出ていないという、それだけの話です。

── なるほど、安心しました(笑)。そうだ、ナショナルチームの話題が出たところで、脇本雄太選手についてもお聞きしたいですね。同じ福井の選手でもあるので、普段から接することも多いのではないでしょうか。寺崎選手からみて、どのような存在ですか?

それはもう、雲の上の存在ですよ(笑)。自力選手としても、僕とはまったく“格”が違いますから。その遠い背中を、いまは必死に追いかけている感じですね。

── 必死に追いすがる寺崎選手の手応え的に、その背中はどれくらいで見えてきそうなイメージですか? 1年や2年ではとても到達できないほど、大きな差があると感じていらっしゃるんでしょうか。

現時点では、差が大きすぎてわからないレベルですね。ラスト200mで脇本さんが見せるスピードは、輪界トップだと思います。規格外というか……僕にはない部分なので、すごく憧れますね。

── 福井の若手選手やナショナルチーム所属の後輩にとって、脇本選手の存在はそれほど大きなものなんですね。憧れであり、触発される存在でもある。

ハイ。僕にとっても福井の選手にとっても、脇本さんの存在はすごく大きいです。同じ開催で走ったときには、戦術面や走り方について助言をいただくことも多いので……もはや「神」的な存在といっても過言ではないというか(笑)。

── いまはまだ遠い存在かもしれませんが、それでも追いつけ追い越せ!ですよ。脇本選手もおそらく、それを期待して待っていると思いますから。

そうですね。脇本さんがいたナショナルチームに所属して、脇本さんがこなされてきたのと同じ練習をしているんですから。僕も早く追いつきたいです!

── ではこのあたりで話題を戻して……ヤンググランプリまでの約1カ月間というのは、どのように過ごされる予定でしょうか?

12月初旬にある自転車競技の全日本選手権の後は競輪に戻れると思うので、ヤンググランプリまでの期間でしっかり練習や調整をして、レースに臨むようなイメージですね。

── まずは全日本選手権に全力を傾ける……となると、ヤンググランプリで具体的にどう戦うかを決めるのは、まだ先の話になりそうですね。

現時点では、まだ何も考えていないですね。ほかの出場メンバーがラインを組むかどうかによってもかなり変わってくるので、自分の戦い方を考えるのは、ラインや並びが出てからになると思います。

── 今回の出場メンバーで、唯一の近畿勢となる寺崎選手。やはり、単騎で勝負される可能性が高いですよね?

そうですね、僕が誰かの後ろにつくことはありませんから。

── では最後に……寺崎選手はヤンググランプリで、ファンの皆さんにどんな走りを見せたいですか? そして、メッセージもお願いします!

じつは、函館でのサマーナイトフェスティバル(GII)の初日に、ヤンググランプリとかなり近いメンバーで戦っているんですよ。そこで僕は、内で詰まって力を出せないようなレースをしてしまって……。このときと同じ轍を踏むことだけは、絶対に避けたいですね。全力を出し切る競走をするので、応援よろしくお願いします!


「KEIRIN GRAND PRIX 2021」公式特設サイトにて出場選手インタビュー公開中

ウィンチケット編集部
WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。

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